ロシア経済ニュース

ロシア経済に投資する中年の備忘録(ロシア語→日本語翻訳日記)

PER

ロシア企業が安いのには理由がある:(4)株価の石油価格への従属(終)

Finmarketが伝えるCitiの分析記事もこれで終わりです。

最後に、ロシア株式市場評価で最も大きいと見られる石油価格への依存について述べられています。MSCI Russiaインデクス※は石油価格に従属しており、相関係数は89%とほとんど同じような動きをしているとのこと。

※正確にはMSCIインデクスに採用されている企業の利益率との相関関係

これまで当ブログでは何度も述べていますし、だいたいの方のコンセンサスになっていると思いますが、実際に数的分析をしてもやはり、やはり石油価格とロシア経済が相関というか従属しているという結果がわかって、嬉しいやら悲しいやら・・・実は違うんだよ!という分析も待っていたのですがそういうわけにはやはりいかないんですね。

まあ、石油価格が十分に低くなると相関関係が失われるらしいですが、引用元の記事に掲載されているグラフをみると、石油価格以上に企業利益率が下がるという最悪のパターン。コモディティよりボラティリティの高い経済、というわけでこのボラティリティが株価に織り込み済みなので安い、と。

だったらこれから石油依存から脱却すれば上がっていくんじゃないか、とも思いますが、そんな簡単に脱却できないだろうとも思ってしまうわけです。

なかなか明るい未来は描けないものです。でも日本よりは明るいと思っていますがね。


ロシア企業が安いのには理由がある:(1)石油依存によるボラティリティ
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ロシア企業が安いのには理由がある:(1)石油依存によるボラティリティ

Finmarketが、CitiBankによるロシア株式市場の分析について報じています。

PERで見ると、ロシア株は他のBRICs諸国に比べても安すぎるとよく言われているようです。MSCI RussiaインデクスのPERは6.2倍と、それだけ見るとあらお買い得ね、という風に見えます。しかし、この記事には、それには以下の理由があるとしています。

・ロシア株式市場のボラティリティが大きい
・株式市場が石油価格に依存しすぎ
・特にエネルギー関連企業で(減価償却の関係で)PERが良く見えている

1と2は関連しています。前にもちらっと書きましたが、ロシア市場に投資することは石油・ガスといったコモディティに投資することに近いです。この記事でも書かれており、元記事にはグラフもついていますが、ロシア市場のインデックスであるMSCI Russiaに含まれている中でエネルギー分野の割合が他の新興国と比べて5倍、50%を超えています(!)。エネルギー分野以外の産業もおそらくエネルギー分野との連関性が強いと思いますので、ロシア投資≒エネルギー関連コモディティ投資、と考えざるを得ません。コモディティ価格のボラティリティが大きい→ロシア株式市場もボラティリティが大きい、という至極単純な構図。

というわけで、PERだけで見るとお買い得に見えるロシア株式市場ですが、こういったリスクがすでに織り込まれているから安いだけだ、という結論です。

ロシア投資ブログを謳っておきながらポジティブになかなかなれない記事ばかりが続いてしまってます。積み増しはやめておこう・・・かな・・・。

次回は減価償却についてもう少し詳しく紹介します。

ロシア企業が安いのには理由がある:(1)石油依存によるボラティリティ ←この記事
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