ロシア経済ニュース

ロシア経済に投資する中年の備忘録(ロシア語→日本語翻訳日記)

財政政策

ロシア経済5つのパラドクス - ソ連経済アネクドートによせて

Finmarketが、ソ連時代のアネクドートにからめて現代経済の5つのパラドクスという内容の記事を掲載しています。

短いながらもロシア経済の矛盾点、政策の問題点を端的に指摘していて良記事。しかも、ロシア語を学ぶ身としてはよく使われる経済用語が頻出していてテキストとしても使いやすいと思います。ただ、大学の先生が書いているからか、文の構造を難しくして文章を長くして名刺構文を使えば頭が良く見えると思っているせいなのか、わかりづらい文章です。その分、読む文には勉強になるのですが、書くときには真似したくない文章になっています(少なくとも、私にとっては)。

さて、一次エネルギーという言葉をモノづくりの力とか技術力に言い換えると、日本にもそっくりそのまま適用できると思ったのですが、いかがでしょうか。

---

ロシア経済は多くの矛盾が織り込まれているとナタリヤ・アキンジノワ・ロシア高等経済大学開発研究所所長は考えている。石油価格は上がっているのに経済は弱くなっている。政府にカネはないのに非効率的な事業にカネを出している。そして、ロシア人のカネはまだ尽きていないのだ。

ソ連時代に人気のあった、社会主義にまつわる5つの矛盾というものがある。「誰も働いていないが計画は実行されている。計画は実行されているが、何もない。何もないが、皆なんでも持っている。皆なんでも持っているが、皆不満である。皆不満であるが、皆選挙で賛成票を投じる」冗談といえば冗談だ。しかし、社会主義の政治経済体制は最終的にこの矛盾に耐えられなかった。近年のロシア経済にも、これに似た矛盾がどんどん増えてきている。

1)石油価格は高いのに、経済は弱まっている。
数年前であれば、石油価格が1バレル100-110ドルと安定的に高止まりしていればロシア経済はそれで年率3-4%成長できると多くの有識者が信じていた。輸出収入は、公共分野の需要を満たしさらに貯蓄をし、経済における政府の役割を徐々に小さくしていくのに十分だ。政府は民間企業が新たな収入源を探し生産性を高めることを求めれば良い、そうすれば非石油ガス分野の成長が追いつき、経済が分散され、燃料への依存から徐々脱却できると。

 しかし、そうはいかなかった。石油・ガスからの安定的な収入が続いているのに、非石油・ガス分野は鈍化している。政府支出の抑制努力は、生産性の向上というよりも(長期的な成長という視点からは)非効率的な支出の割合が増えることにつながっている。

結局、惰性的な開発により、ロシア経済の成長は2%を切る水準まで落ちてしまった。

2)経済は弱まっているのに、収入と需要は成長している。
2013年上半期のロシアGDP成長率は1.6%だというのに、国民の実質所得は4.3%、実質平均賃金は5.5%、小売高は3.8%伸びている。2011-2013年度予算政策は国民所得の成長に向けられていたが、まさにそれがインフラの質の低下や投資のための資源枯渇、ひいては今後の経済鈍化につながっている。

3)収入と需要は成長しているのに、政府収入は増えていない
ロシアの政府収入はまだ個人ではなく企業の支払う税金に頼っている。経済の鈍化により法人税収が低下し、経済成長を上回る国民所得の増加も個人所得税の増加にはつながっていない。

それはなぜだろうか。おそらく、経済の「闇」の部分にますます出て行ってしまっているからだ。「力の省庁」に対する政府支出の増加は、それら機関から支払を受けていない非政府分野の状況を悪化させているだけだ。

4)政府収入は足りないのに、巨大プロジェクトへの支出は増えている
一次エネルギー生産の拡大が不可能であるというなかで資源依存型の経済成長モデルを続けているにもかかわらず、モスクワ・カザン高速鉄道といったような地域限定かつコストが莫大できちんと計画されていないような事業への支出額が拡大している。財務省は、同様の事業に対する支出の大幅な限定の必要性についても、軍備プログラム実施時期の延期についても主張することができない(あるいは、したくない)。しかも、形式的な財政収支バランスという自身の大切な虎の子を守るためだけに人的資源への支出削減にはなんの問題もなく同意している。

5)巨大プロジェクトへの支出は続いているのに、投資総額は減っている
民間分野での投資活動の低下と地方における政府支出削減を、政治的な動機から以外のなにものでもない巨大プロジェクト実施では補償できない。結果として、2013年度上半期の投資額は0.7%の現象となった。同時期の国外への資本流出は500億ドルで、1年間では700億円に上ると経済発展省は見ている。

ナタリヤ・アキンジノワ高等経済大学開発研究所所長
続きを読む

EBRD「ロシアの経済成長は半減」三木武夫「インフレ高くて総需要抑制外せない」

欧州復興開発銀行(EBRD)による2013年度のロシアGDP成長予測が、3.5%から1.8%に下方修正されたとLenta.ruが伝えています。

今年1月にEBRDは同指標を3.3%から3.5%に引き上げたばかりでした。
ロシアにとって経済を加速させる政策はインフレのリスクを伴うものです。そこでEBRDのお薦めは、いつものメニューである投資環境改善のための構造改革となります。

経済発展省がGDP成長率予測を3.6%から2.4%に引き下げたばかり。

ちょうど、草野厚「歴代首相の経済政策全データ 増補版」を読み終えたところです。戦後内閣の経済政策・外交政策・政治取引が新書1冊でコンパクトにまとまっていて非常にわかり易かったのですが、第66代の三木武夫総理の施策方針演説にこんなのがありました。

一方、景気は停滞の色を濃くしつつあることも否定できません。西独や米国でもインフレ対策から不況対策に重点を移行し始めましたが、な消費者物価上昇率が特別に高い我が国の場合では、簡単には、総需要抑制策をはずすわけにはいきません。(p.131)

1975年1月のスピーチです。たかだか40年前の日本とロシアの現状が結構重なっていますね。金融緩和、財政発動したくてもインフレ率が高止まっているので難しい状況、ロシアはどう打開できるのでしょうか。

 続きを読む

インフレ率は高止まり 「給料上がらないのに物価は上がる!」

ロシア統計局が4月のインフレ率速報を発表しました。Finmarketが伝えています。

4月の単月インフレ率は0.5%で、3月の0.3%に比べわずかに上昇。年率換算では7.2%となり、昨年の年率6.5-6.6%に比べて高い数字になっており、政府目標の6%から大きくずれている状態です。4月の段階での累積インフレ率(年率ではない)で比べても、昨年度の1.8%に対し2.4%と高く出ています。

食料品の物価上昇が単月0.7%と、インフレ率の引き上げ要因となっているようです。ロシア全土での平均的な最低限の食料バスケットの価格は月2773ルーブル、約9000円で、年始来で6.1%上昇しています。

なかなかインフレは収まりません。景気が良いわけでもないのですが、失業率が低いからでしょうか。政府のターゲットである6%はこの調子だと無理そうです。日本はこれだけ緩和政策をとっても今年は2%目標ではないですからね、大きな違いです。政府としては、インフレが投資誘致を害する不安定性と見て、この対策を強く押し出していますが、新中銀総裁が経済発展省出身だというのがインフレ期待形成につながっているのかもしれません。財政政策も予算ルールにより縛られており、金融政策も高いインフレ率により緩和は難しいと、政策的には八方塞がり。頼みのエネルギー価格も最近先行きがくらいですし、ロシア経済は短期的にまずい方向に進んでいます。 ルーブル為替も弱そうですね、今後。

 続きを読む
プロフィール
ロシア経済の成長を信じロシア経済に投資する中年の投資と勉強の備忘録です。 ロシア語の勉強も兼ねて、ロシアや旧ソ連諸国の経済関連ニュースを紹介していきます。勉強中なので、いろいろ教えて下さい。 HN:イワノフ ブログランキングに参加しています。面白かったらどちらか押してください~↓
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へにほんブログ村 経済ブログ ヨーロッパ経済へ
ブログランキングならblogram
ブログ内検索
人気記事(過去30日間)


最新コメント
livedoor プロフィール
メッセージ

名前
メール
本文
スポンサードリンク
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月間ページビュー数
2012/01: 01710
2012/02: 02962
2013/03: 06794
  • ライブドアブログ