ルーブルとブラジル・レアルの相似性について、ズベルバンクのエコノミストが発表した調査について、Finmarketが伝えています。

ロシア・ルーブルとブラジル・レアルは非常によく似ている。原料輸出に依存した国の通貨で、実効為替レートがここ数年急に増価している。現在、レアルは7-15%過大評価されており、経済成長と競争力を阻害している。ブラジルはすでに通貨を下落させる方策を取っている。つまり、資金流入と消費を抑制し、政府投資を増やそうとしている。

ズベルバンクとしては、このような為替に対する政府の介入は好ましくないと考えており、違う形で競争力を向上させ、またインフレを抑制しなくてはいけないと主張しています。

ロシアとブラジルの経済政策で似ているところと違うところはこんな感じです。
・ロシアの実効為替レートが増価しているのは、高インフレ率のためである。
・ブラジルは、1999年からインフレターゲットを導入し、効果を挙げている。国内インフレを安定させるため、資金流入に際して名目為替が自然に切り上がることを許容し、輸入需要を抑制した。
・この間ロシア中銀は、為替レートのターゲットに注力していた。資金流入に際して為替安定のために為替介入を行い、国内マネタリーベースを増やすことによってインフレを加速させる政策を採っていた。
・いずれの場合も実質レートは増加するという結果は変わらない。

ブラジルの採っている金融過熱対策には以下の様な政策があります。
・ 外国人投資家のブラジル債券に対する投資に2%の課税
・ 債券取引税を4%、株式取引税・デリバティブ取引税を6%に増加
・2011年から、米ドル取引を行う銀行の準備金金額を上昇
・ 外国からの借入に対し6%の課税を導入

このような対策にもかかわらず、投機家はこれらの規制を回避する方法を見つけ、政策が意味をなしていないと結論づけています。

金融ではありませんが貿易では、南米は「輸入代替政策」の失敗例として経済学の教科書で挙げられていますね(成功例は日本と韓国)。 外国取引を規制しても国内産業の競争力が向上しないという例です。金融政策の規制については、ちょっと勉強不足でここでコメントをかけるような知識はないので、ここでは紹介のみ。続きを読む