Finmarketが、「ロシア経済は行き詰まり」という記事を掲載し、HSBCによる経済分析を報じています。抄訳はいかのとおり。
米国金融政策の不透明性と中国経済成長の鈍化により、世界経済の回復はゆるやかなものになりそうだ。HSBCエコノミストの予想によると、2013年の世界経済の成長率は2%にとどまり、2014年も2.6%にとどまるという。予想を低下させた理由は、主に新興国の経済成長予測の低下によるものである。
・ロシア経済成長予測は低いままで据え置き(2013年:2.5%、2014年:2.0%)
・リスクは石油価格、国庫収入減少、インフレ
【伝統的なマクロ経済政策は現状では極めて効果が薄い】
2012年度予算が赤字とならない原油価格は110ドルであり、積極的な財政政策をとるのはリスクが高すぎる。金融政策についても、インフレが大きく鈍化しないかぎり難しい。ローンの伸びが年率22%と高く、むしろ金融政策は引き締めの段階。むしろビジネス環境改善の方が経済成長促進効果が高い。
【最大のリスクは石油 - 頼りにならないパートナー】
原油価格は徐々に下落の傾向。スタグネーションの原因は原油だけではないとは言え、3%以上のGDP成長に向けての障害。ウラル原油価格が80ドルまで達すると、ロシアは不況の状態に突入する。
【第2のリスク - 予算ルールの失効】
予算ルールの実施において、2013年予算では深刻な障害が発生している。民営化からの利益や借入など、石油源泉以外の国庫収入が予定に達していない。
【第3のリスク - インフレ】
消費者物価指数は5月までで年率7.4%の上昇で、2012年末の6.6%から加速している。このインフレ率の上昇は、農作物価格や年始の諸税引き上げによるもの。昨年の金融引締め効果が今年の下半期にあらわれて、ターゲットとする5-6%のインフレ率は達成可能かもしれないが、2014年のターゲットである4-5%の達成はより難しいと言わざるを得ない。HSBCの予測は2013年は6.6%、2014年は5.5%で据え置き。
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米国金融政策の不透明性と中国経済成長の鈍化により、世界経済の回復はゆるやかなものになりそうだ。HSBCエコノミストの予想によると、2013年の世界経済の成長率は2%にとどまり、2014年も2.6%にとどまるという。予想を低下させた理由は、主に新興国の経済成長予測の低下によるものである。
・ロシア経済成長予測は低いままで据え置き(2013年:2.5%、2014年:2.0%)
・リスクは石油価格、国庫収入減少、インフレ
【伝統的なマクロ経済政策は現状では極めて効果が薄い】
2012年度予算が赤字とならない原油価格は110ドルであり、積極的な財政政策をとるのはリスクが高すぎる。金融政策についても、インフレが大きく鈍化しないかぎり難しい。ローンの伸びが年率22%と高く、むしろ金融政策は引き締めの段階。むしろビジネス環境改善の方が経済成長促進効果が高い。
【最大のリスクは石油 - 頼りにならないパートナー】
原油価格は徐々に下落の傾向。スタグネーションの原因は原油だけではないとは言え、3%以上のGDP成長に向けての障害。ウラル原油価格が80ドルまで達すると、ロシアは不況の状態に突入する。
【第2のリスク - 予算ルールの失効】
予算ルールの実施において、2013年予算では深刻な障害が発生している。民営化からの利益や借入など、石油源泉以外の国庫収入が予定に達していない。
【第3のリスク - インフレ】
消費者物価指数は5月までで年率7.4%の上昇で、2012年末の6.6%から加速している。このインフレ率の上昇は、農作物価格や年始の諸税引き上げによるもの。昨年の金融引締め効果が今年の下半期にあらわれて、ターゲットとする5-6%のインフレ率は達成可能かもしれないが、2014年のターゲットである4-5%の達成はより難しいと言わざるを得ない。HSBCの予測は2013年は6.6%、2014年は5.5%で据え置き。
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