ロシア経済ニュース

ロシア経済に投資する中年の備忘録(ロシア語→日本語翻訳日記)

ロシア投資

インフレ率は高止まり 「給料上がらないのに物価は上がる!」

ロシア統計局が4月のインフレ率速報を発表しました。Finmarketが伝えています。

4月の単月インフレ率は0.5%で、3月の0.3%に比べわずかに上昇。年率換算では7.2%となり、昨年の年率6.5-6.6%に比べて高い数字になっており、政府目標の6%から大きくずれている状態です。4月の段階での累積インフレ率(年率ではない)で比べても、昨年度の1.8%に対し2.4%と高く出ています。

食料品の物価上昇が単月0.7%と、インフレ率の引き上げ要因となっているようです。ロシア全土での平均的な最低限の食料バスケットの価格は月2773ルーブル、約9000円で、年始来で6.1%上昇しています。

なかなかインフレは収まりません。景気が良いわけでもないのですが、失業率が低いからでしょうか。政府のターゲットである6%はこの調子だと無理そうです。日本はこれだけ緩和政策をとっても今年は2%目標ではないですからね、大きな違いです。政府としては、インフレが投資誘致を害する不安定性と見て、この対策を強く押し出していますが、新中銀総裁が経済発展省出身だというのがインフレ期待形成につながっているのかもしれません。財政政策も予算ルールにより縛られており、金融政策も高いインフレ率により緩和は難しいと、政策的には八方塞がり。頼みのエネルギー価格も最近先行きがくらいですし、ロシア経済は短期的にまずい方向に進んでいます。 ルーブル為替も弱そうですね、今後。

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ロシアとキプロスの関係~統計から~

Vesti EkonomikaのInfographicaでキプロスについての面白い統計が載っていたので紹介します。

(1)キプロスの銀行にあるロシア人の預金
http://www.vestifinance.ru/infographics/2467

・680億ユーロの預金のうち、200億ユーロが外国人の預金 
・外国人の預金のうち、49.5億ユーロがロシア人の公式な預金
・102.25億ユーロが、ロシア人のグレーな預金

 →約150億ユーロ、総預金の約22%がロシア人の預金


(2)外国からロシアへの投資(2012/9月時点)
http://www.vestifinance.ru/infographics/2425

1位 キプロス  22.2%
2位 オランダ 16.8%
3位 ルクセンブルク  11.2%
4位 中国  7.9%
5位 イギリス 7.6%
6位 ドイツ 7.0%
7位 バージン諸島 3.5%

 → キプロスはロシアに対する最大の投資国。見事にロシアから出てった金が還流しているように見えますね。


[単語]
・Виргинские острова : バージン諸島
 

ロシアファンドから資金流出。メドベエさん、極東にオフショア作ってもロシア人お金置かないと思う・・・

引き続きキプロス。Vedomostiが、キプロス問題のロシア株式市場への影響について報じています。

やはり、ロシアファンドからはリーマンショック以来の資金流出になっているようです。他の新興国ファンドへは資金は流入しているとのことで、ロシアだけが一人負けの状態・・・。 しかも、長期ファンドからの資金流出が大きいということで、キプロス問題自体と言うよりも、BRICsの中でロシアへの関心が薄れてきていて、それが発現したのがキプロスだったということかもしれません。

ロシア好きで投資している私にとっては悲しい話です。と入っても、円安なので引き続き含み益はあるのですが。

メドベエさんが極東にオフショアゾーンを作ると言っていますが、ロシア人はそんなところにお金を置かないような・・・記事でも懐疑的なコメントが書かれていました。



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ロシア人「またルーブルやばそうだからドル買っとく」

独立新聞が、ロシア人の外貨購入額が増加して危機時の水準に近づきつつあると報じています。

2010年に比べて2012年の個人による外貨購入額が60%増加して620億に達しているとのこと。リーマン・ショック危機がロシアに波及した2008年は793億ドルとのことで、それに比べればまだ少ないのですがそれにしても増えすぎだと。

外貨需要が高まっているのは、
・欧州経済・米国経済の先行き不安がロシアに波及するのではないかとの不安
・不動産を含む外国商品購入が増えている
・ハイパーインフレのあった1990年代からの惰性
・労働移民による送金

などが考えられています。最近の傾向として顕著なのは最初の要素かと。
ま、ここ数十年ハイパーインフレもなくとどまることなく円高が続いていた日本でも外貨預金を持つ人が増えているかと思う(私もですが)ので、 ハイパーインフレもデノミもやったロシアの人が外貨を選択するのは当然。ただ、2008年より前はルーブルも強くなってきていて信頼感が増していましたし、ルーブル預金の利率はかなり良いです(債券より良い)。

ただ、記事でも指摘されていますが、個人の売り越しが顕著だとは言え為替自体は安定しているので、そんな心配はない・・・と言いたいところですが、キプロスがやばくなって来ましたね。キプロスにはロシアの金がじゃぶじゃぶと流れ込んでいるので、キプロスがやばくなるとロシアもやばくなるような。この件については来週記事にしようと思っています。

SBIのルーブル建て社債、まだ売り切れてないということはあんまり売れてないんでしょうかね。

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ロシア企業が安いのには理由がある:(4)株価の石油価格への従属(終)

Finmarketが伝えるCitiの分析記事もこれで終わりです。

最後に、ロシア株式市場評価で最も大きいと見られる石油価格への依存について述べられています。MSCI Russiaインデクス※は石油価格に従属しており、相関係数は89%とほとんど同じような動きをしているとのこと。

※正確にはMSCIインデクスに採用されている企業の利益率との相関関係

これまで当ブログでは何度も述べていますし、だいたいの方のコンセンサスになっていると思いますが、実際に数的分析をしてもやはり、やはり石油価格とロシア経済が相関というか従属しているという結果がわかって、嬉しいやら悲しいやら・・・実は違うんだよ!という分析も待っていたのですがそういうわけにはやはりいかないんですね。

まあ、石油価格が十分に低くなると相関関係が失われるらしいですが、引用元の記事に掲載されているグラフをみると、石油価格以上に企業利益率が下がるという最悪のパターン。コモディティよりボラティリティの高い経済、というわけでこのボラティリティが株価に織り込み済みなので安い、と。

だったらこれから石油依存から脱却すれば上がっていくんじゃないか、とも思いますが、そんな簡単に脱却できないだろうとも思ってしまうわけです。

なかなか明るい未来は描けないものです。でも日本よりは明るいと思っていますがね。


ロシア企業が安いのには理由がある:(1)石油依存によるボラティリティ
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ロシア企業が安いのには理由がある:(3)設備保守に費用がかかる分野

昨日は酒のんでそのまま寝てしまって更新できず・・・なんという屈辱ッ。
というわけで本日は2つ更新です。

引き続きFinmarketが掲載しているCitiの記事について。

ロシア企業の価値が低く見える件を、その特徴が顕著である4分野(石油、ガス、インフラ、金属)について分析しています。要は、「ソ連時代の設備保守にばかり金が使われて新規設備にはあまり投資されていない」ことが、企業の利潤を大きく見せているということです。

ノリリスク・ニッケルなんて新規投資ゼロみたいです。本当?

前提がちょっと大げさなところもありますが、上記の条件を考慮に入れてPERを修正すると6.2倍から10.3倍に上がり、割安感が薄れると。それでもそんなに高くないように見えますが・・・(日本企業と比べてしまうからか)。

もう1つだけ記事が続きます。

ロシア企業が安いのには理由がある:(1)石油依存によるボラティリティ続きを読む

ロシア企業が安いのには理由がある:(2)ソ連資産の減価償却

昨日のFinmarketの記事の続き。

ロシア企業が「お買い得」に見える理由として、昨日はボラティリティが織り込まれていることを挙げましたが、今日分の記事では、ソ連時代の生産設備が未だに使われていて会計上利益が増えて見えることが指摘されています。

古い生産設備を使っても儲けられてるから良いのではないかとも一瞬思うのですが、特にエネルギー分野では設備更新が進められていて、その費用がまだ認識されていないため一時的に利益が多く見えています。コストで言うと10倍近く増える計算になるようです(会計上)。

逆に、ソ連時代の設備を使っていない分野、特にリテールなんかはそういった会計上のマジックがないため、他の産業分野に比べ利益が小さく見える、というか通常の利益しか出せていません。

数年後に費用が後追いできて利益率は下がる、となると、エネルギー依存の高いロシア株式市場への投資は手控えるべき?と思いがちですがこの記事は「そういうことはすべて織り込み済みなので企業価値が低い」という説明なので、現在の投資判断上は過大に見なくても良いのではないでしょうか。

ロシア企業が安いのには理由がある:(1)石油依存によるボラティリティ
ロシア企業が安いのには理由がある:(2)ソ連資産の減価償却 ←この記事
ロシア企業が安いのには理由がある:(3)設備保守に費用がかかる分野
ロシア企業が安いのには理由がある:(4)株価の石油価格への従属(終)

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ロシア企業が安いのには理由がある:(1)石油依存によるボラティリティ

Finmarketが、CitiBankによるロシア株式市場の分析について報じています。

PERで見ると、ロシア株は他のBRICs諸国に比べても安すぎるとよく言われているようです。MSCI RussiaインデクスのPERは6.2倍と、それだけ見るとあらお買い得ね、という風に見えます。しかし、この記事には、それには以下の理由があるとしています。

・ロシア株式市場のボラティリティが大きい
・株式市場が石油価格に依存しすぎ
・特にエネルギー関連企業で(減価償却の関係で)PERが良く見えている

1と2は関連しています。前にもちらっと書きましたが、ロシア市場に投資することは石油・ガスといったコモディティに投資することに近いです。この記事でも書かれており、元記事にはグラフもついていますが、ロシア市場のインデックスであるMSCI Russiaに含まれている中でエネルギー分野の割合が他の新興国と比べて5倍、50%を超えています(!)。エネルギー分野以外の産業もおそらくエネルギー分野との連関性が強いと思いますので、ロシア投資≒エネルギー関連コモディティ投資、と考えざるを得ません。コモディティ価格のボラティリティが大きい→ロシア株式市場もボラティリティが大きい、という至極単純な構図。

というわけで、PERだけで見るとお買い得に見えるロシア株式市場ですが、こういったリスクがすでに織り込まれているから安いだけだ、という結論です。

ロシア投資ブログを謳っておきながらポジティブになかなかなれない記事ばかりが続いてしまってます。積み増しはやめておこう・・・かな・・・。

次回は減価償却についてもう少し詳しく紹介します。

ロシア企業が安いのには理由がある:(1)石油依存によるボラティリティ ←この記事
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SBIからまたルーブル建社債発行。今度は5.2%。

SBI証券からまたルーブル建て社債が発行されるようです。今回の発行元はまたもやバークレイズ・バンクPLC。

売れ行きが良いのでしょうか。今日はイタリアで変な動きになりましたが、確かに最近は円安の傾向が続いているので、外債を買っておこうという気持ちはわかります。

が、1月のBNPパリバのやつが年率6%で、今回が5.2%。発行体の格付けはS&PのA+で変わらず、期間はBNPパリバが5年で、今回のが3年半。

ちなみにロシア国債はここを確認すると2018年償還のものの利回りが約6%。ロシアの国債格付けはBBBなので、格付けが良いので利率が低いのはわかるが、バークレイズは日本でルーブル起債してロシア国債買うだけでさやが取れる計算か。しかしどんどん安くなるな・・・。

以前にも書いたとおり、このくらいの利率ではそれだけで手を出せるような魅力はありません。円安が今後3年半続くと確信しているのであれば良い商品かと思いますが、そこまでは確信がもてません。これなら株式市場に投資するほうが諦めがつきますね。通貨切り下げ競争がつづき、ロシアも参戦して公定歩合を下げるようなことになれば債券がちょっと魅力的になるかもしれませんが、この買い方だと途中売却も面倒そうですし、為替手数料に勝てるかどうか・・・。

いずれにせよ、投資は自己責任でおねがいします。
 

ロシア年金ファンドの運用動向:GSレポート(1)

1週間お休みいただいてました。また明日からロシア語本気出します。というわけで今日は過去の遺産より。

Finmarketが、ロシア有価証券市場のゴールドマン・サックスによる見通しについて報じています。他国では圧倒的な存在感を持つ年金ファンドが、ロシアの株式市場と債券市場ではその役割を果たしていないので、将来的に年金ファンドが参入すれば盛り上がる、という論調。

ロシアの年金ファンドが管理する資金はGDPの5%。大和総研によると、OECD平均は60%を超えており、日本は20%超、ということなので、まだまだ小さいようです。が、毎年毎年成長していて、今後影響力はますます大きくなっていきそうです。

現在の資金量は3.1兆ルーブルで、ロシア債券市場の7.5兆ルーブルに比しても45%となるのですが、ただ、現在ロシアの年金ファンドの運用は国債よりも利回りの良い銀行預金に移ってきているとのこと。その比率はまた次回分で。逆に、債券市場はユーロクリア基準を導入してルーブル建て国債の直接決済が国際的に可能になったようで、外国投資家の関心を集めるようです。

確かに、この資金が株式市場に流れ込めばだいぶ株価が上がりそうですね!もうちょっとロシア株式インデックス買い増そうかな・・・。債券も外国銀行が発行するルーブル建て社債より直接国債が買えた方が選択肢が増えて良いと思います。よっぽどプレミアムが載ってないと買いづらいとは思いますが。

長めの記事なので何回かに分けて紹介します。

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ロシア経済の成長を信じロシア経済に投資する中年の投資と勉強の備忘録です。 ロシア語の勉強も兼ねて、ロシアや旧ソ連諸国の経済関連ニュースを紹介していきます。勉強中なので、いろいろ教えて下さい。 HN:イワノフ ブログランキングに参加しています。面白かったらどちらか押してください~↓
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