ロシア経済ニュース

ロシア経済に投資する中年の備忘録(ロシア語→日本語翻訳日記)

インフレ

モスクワ・メトロの乗車賃が30→40ルーブルにはね上がる

Finmarketが、モスクワの公共交通機関の乗車賃値上げについて報じています。

毎年1月1日に値上げになるので、12月末に60回券を買って節約!と思ったはいいが使い切れないということを繰り返していましたね、愚かなことです。今回は、紙の切符だけが値上がりするようで、ロンドンみたいな観光客狙い撃ち的なところがあるのかもしれません。

それにしても30ルーブルから40ルーブルにいきなり値上げというラディカルさはロシアっぽいですね。

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モスクワ・メトロの乗車賃が40ルーブルにはね上がる

2014年1月1日からの公共交通機関の乗車賃に対するインデクセーションは、紙の1回券・2回券のみに行われる。マクシム・リクストフ・モスクワ副市長が金曜日に記者に伝えた。

共通1回券・2回券はそれぞれ40ルーブル(125円)、80うルーブル(251円)となる(今は30ルーブル・60ルーブル)。TATチケットは30ルーブル・60ルーブルとなる(現在は25ルーブル・50ルーブル)。

4回券以上の切符は新年には値段が上がらない。「トロイカ」カードによるメトロおよび陸上交通の1回使用は現在と変わらない(28ルーブル・26ルーブル)。

リクストフ副市長は、紙の1回券の流通を減らすことにより、行列を少なくし、切符発行の経費を節約し自然保護に資すると話した。また、郊外列車への接続地域の1回券の乗車賃は50ルーブルになるとした。また、年金生活者や障害者等、法律により割引が定められている人たちへの優遇措置はモスクワでは全て維持されるとした。

 

IMF:ロシアのGDP成長率予測を改めて下方修正

ロシア経済の調子は引き続き良くないですね。ここにきてまた下方修正の報道です。

ロシアのETFは売った方が良いでしょうかね。本気で売りを検討しています。そういえば、一時期あれだけ売られていたルーブル建て社債も最近見なくなりましたね…。

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IMF:ロシアのGDP成長率予測を改めて下方修正

IMFが再び2014年のロシア経済成長率予測を下方修正した。IMFの発表では、今回は3%から2%への下方修正と成る。今年度の経済成長率予測は変わっていない。

「経済成長は鈍化し続けている。同時にインフレはターゲット・レベルを依然として上回っており不安要素を維持している。投資の回復と海外景気が良いという条件で、2013年のGDP成長率は1.5%で、2014年はそれを少し上回る2%と予測している」とIMFが発表したとPrimeが伝えている。

IMFはロシア経済成長速度の鈍化が継続しているとも指摘。今年度末には消費者物価指数もターゲットを上回りそうだ。リスク要因はやはり世界金融市場における景況悪化だ。

「この予測は次のようなリスクでも左右される。つまり、国際市場での金融引締予測、国際石油価格へのロシアの依存度、不良債権の増加およびビジネス環境・投資における構造改革のスピードが不透明であることの影響などだ」とIMFは考えている。

IMFがロシア経済成長予測を下方修正したのは始めてではない。6月にもロシアGDP成長予測を3.8%から3.25%に低下させている。9月にも3%に下方修正した。

それに先立ち、12月3日、ロシア経済発展省は2013年GDP成長率予測を1.8%から1.4%に下方修正すると同時に、2014-2015年の予測も修正している。アレクセイ・ウリュカエフ経済発展大臣が発表した。製造業については、2013年成長率予測は0.7%から0.1%への下方修正となった。設備投資は2.5%から0.2%へ低下。消費者物価指数の上昇については、6%から6.2%へと予想を悪化させている。インフレ率上昇については、4.2%と予想していた公共料金の伸び率を4.3%に修正した。

2014年の平均ルーブル為替は、33.4ルーブルではなく33.9ルーブルと予想されている。2016年には35.4ルーブルと経済発展省は予想している。

連邦院はすでに2014年度予算および2015-2016年度計画を承認している。そこでは、予算赤字は来年度で3896億ルーブル、2015年度は7966億ルーブル、2016年度は4865億ルーブルとされている。来年度の国防支出は1兆200億ルーブル、安全保障・警察には1兆4600億ルーブル、社会政策には3兆5300億ドル、教育には5622.2億ルーブル、保健には4625.3億ルーブルの支出となっている。

タチヤナ・ゴリコワ会計検査院長は予算計画を非現実的で矛盾したものとしている。オクサナ・ドミトリエワ公正ロシア党副党首は「哀れな結果の予算」と名付け、セルゲイ・カラシニコフ自由民主党議員は「デフォルト予算」と呼んだ。アントン・シルアノフ財務大臣は、予測にしたがった予算であると強調している。

 

ロシア経済発展予測:2013年は1.5-1.8%、2014年は3%

Vesti Ekonomikaが今年と来年の経済発展予測に関する経済発展大臣の発言を報じています。

というよりもこの記事を書いている瞬間に「マステル・バンク」ライセンス剥奪のニュースがあって、こっちがかなり気になったのですが明日以降に。結構大きな銀行(72位)で私もATM使ったことがあるので驚きました。

第3四半期までの経済成長率が1.3%。本当に最近はロシアで良いニュースが無いですね・・・。私のMTS連動ETFは、円安のお陰でかろうじてプラスですが、今後を考えた方が良いかもしれません。

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ロシア経済発展予測:2013年は1.5-1.8%、2014年は3%

2014年のロシア経済成長率は3%に達する。アレクセイ・ウリュカエフ経済発展大臣がロシア24に対するインタビューの中で発言した。

ただし、今年の経済成長率予測は見直さないと指摘している。

「今年のGDP成長率は1.5%から1.8%の間になる。この結果は、率直に言うと、さほど前向きなものとは言えないが、そこにはいろいろな状況と客観的理由がある」

インフレ独占サービス業の価格凍結を含む新たな税政策により、来年は5%超のインフレ率は避けられると同大臣は述べている。

「今年のインフレ率は6.1%-6.2%水準に留まるだろう。来年は高い信頼性をもって5%、おそらく5%を少し下回る水準に収まると考えている」

10月末までのインフレ率は6.3%で、5-6%としていたターゲット範囲の上限を明らかに超えていた。同時に中央銀行は、インフレの伸びは金融政策の要素によるものではないと指摘している。

ロシア中銀:インフレ期待は11%を上回っている

FinmarketがInterfaxの報道を引用してロシア中銀によるインフレ期待計測値について報じています。

インフレ期待をどうやって計測するのかはしらないのですが、今後ロシアのインフレ率は結構あがりそうなようです。中銀としては、経済刺激策に金融政策は取れないという主張。日本とはまったく逆の状況ですね。さて、アメリカと日本はどこまで緩和策を続けられるのでしょうか。

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ロシア中銀:インフレ期待は11%を上回っている

ロシア中央銀行は非常に高いインフレ期待を確認していると、クセニヤ・ユダエワ中銀第一副総裁が木曜日に行われた国家院経済政策・イノベーション発展・経営委員会会合で発言した。

「本日この議題についての会議があった。インフレ期待に関する数的なパラメーターが、11%-12%のインフレを警告している」

ロシア中銀は政策金利についての決定に際しインフレ期待の水準に特に注目する。

「この状況下で私達の持つ政策手段の実施は経済成長にではなくまずインフレに影響してしまう」

ロシア中銀今年のインフレ・ターゲットは5-6%だ。

ユダエワ第一副総裁は、以前にも2013年の6%水準インフレ率が上昇するリスクを指摘していた。
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ロシア経済産業大臣「スタグネーションは危機よりたちが悪い」

Kommersantが、来年度のロシアの失業率が増加する可能性について報じています。

いかにも先行きの暗い話ですが、現在ロシアとしては歴史的に最低水準にある失業率が今後悪化すると経済産業省が予測しています。同時に、インフレ率も下がるとしており、伝統的なフィリップス曲線が現代も生きている感じになってます。懐かしい。

現在、スタグネーションの状態にあり、それは危機よりも悪い状態だ、と言っているのがロシア政府の危機感を強く表しているような気がしますね。

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2014年、経済状況の全体的な悪化のためにロシアの失業率は増大すると、アレクセイ・ウリュカエフ経済産業大臣は考えている。「客観的に見ると、就業率というのは、経済成長にかかる状況の悪化に遅れて現れる指標だ。すぐにではないが、就業率も低下し始める」

経済産業大臣の予測によると、2014年のロシアにおける失業率は6%程度となる。現在の同省の公式予測は5.7%だ。ロシア統計局の最新統計によると、現在の失業率は5.2%。

インフレに関しては、10月末に6.2%を上回ることはないとしている。さらに、同大臣は2013年末には同省が予測しているとおり6%を上回らないと考えている。現在の年率換算インフレ率は6.2%水準だ。

ソチ投資フォーラムに参加したメドヴェージェフ首相も同様の予測を支持している。「今年のインフレ率は、計画していた通り6%前後におさまるだろう。しかし来年は、インフラ関連の公共料金値上げ凍結の決定を含め、我々がとった政策を考慮に入れると、もう少し低く、4-5%程度になると期待している」
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経済発展省2014-2016予測:公共料金は引き続き値上げ

インタファクス通信が、経済発展省による2014-2016年度経済発展予測についての記事を掲載しています。

大きなところは変わっていませんが、公共料金値上げの凍結の見込みから一転、来年も公共料金を値上げする方向になったようです。

数字だけを見ていると前提は楽観的に見える(石油価格はゆっくりと下落、インフレ率は下落、設備投資は上昇)のに、結果のGDP成長率は楽観的に見えないのが怖いですね。

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 メドヴェージェフ:予算はかなり厳しいものになった
ロシア政府は19日、経済発展省による2014-2016年度国家社会経済発展予測を承認した。その内容は簡単にはこんな感じです。

・ウラル原油価格:1バレル107ドル(2013)、101ドル(2014)、100ドル(2015-2016)
・ガス価格:1000立方米あたり340.3ドル(2013)、336.8ドル(2014)、316.6ドル(2015)、299.7ドル(2016)
・GDP成長率:1.8%(2013)、3.0%(2014)、3.1%(2015)、3.3%(2016)
・設備投資の伸び率:2.5%(2013)、3.9%(2014)、5.6%(2015)、6.0%(2016)
・年平均対ドルルーブル為替:32(2013)、33.4(2014)、34.3(2015)、34.9(2016)
・インフレ率:5-6%(2013)、4.5-5.5%(2014)、4-5%(2015-2016)

この予測を元に、メドヴェージェフ首相は「予算はかなり厳しいものになる」と発言してます。ウリュカエフ経済発展大臣が、公共料金は2014-2016はインフレ率×係数0.7の割合で引き上げると発表しています。これまで2014年は公共料金値上げを凍結すると見られていたようです。そのため、2014年度のインフレ予測を4.6%から4.8%に引き上げています(ただし、幅予測としての4.5-5.5は維持)。

食料品価格は東高西低inロシア

Vesti Ekonomikaが、1ヶ月にかかる最低限の食糧バスケットにかかる費用が、8月には2838ルーブルに上昇したと伝えています。

上昇率は4.2%(123.4ルーブル)で、年始来で8.6%の上昇となった。

地域別で最も高いのはチュコトカ(7444.2ルーブル)、マガダン(5405.6ルーブル)、 カムチャトカ(4631.9ルーブル)、サハリン(4506.7ルーブル)、ヤクート(4433.6ルーブル)。

最も安いのは、クルスク(2160.8ルーブル)、サラトフ(2274ルーブル)、リペツク(2326.9ルーブル)、タンボフ(2359.9ルーブル)、オムスク(2362.7ルーブル)。

モスクワは3328.6ルーブルで、先月に比べ-5.7%、年始来で7.8%の上昇。サンクト・ペテルブルクでは、3195.3ルーブルで、先月比-3.5%、年始来8.3%。

8月、食料品価格は下落した。ジャガイモが23.9%、ニンジン、ビーツ、玉ねぎ、トマト、キャベツは17.5-19.7%、ぶどうが13.8%、 きゅうりが11.7%など。

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タイトルと本文で内容が違ってるので本文に即して訳しています。
今回驚いたのは、地域別でここまで格差があるのかということ。極東は高いなあ…。 続きを読む

インフレ率は下落

Vesti Financeが、7月までのインフレ率について報じています。

7月末の時点でのインフレ年率は6.5%と、6月末の時点の7.4%に比べ下落した。7月の単月インフレ率は0.8%。昨年同期は1.2%だった。

主な原因は、7月に7%上昇した公共料金の値上げと見られる。  特にガス・エネルギーは、10.1%-12.9%の値上げだ。また、鉄道料金は8.7%-9.3%値上げされた。

経済発展省は、2013年度のインフレ率を5-6%と予測している。2012年度は6.6%だった。ロシア中銀は、現状の金融政策のもとで、(昨年のような)農作物価格上昇ショックがなければ、インフレ率は下半期に5-6%の範囲に収まると予測している。

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経済成長は先行きが暗いですが、インフレについては少しおさまってきたようですね。続きを読む

バンカメ予測:ルーブルは今後強くなる

バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチのロシア・ルーブル予測について、Finmarketが報じています。かなりばっさりと要約。

バンク・オブ・アメリカが公表していた、2013年上半期におけるルーブルの対ドル為替ターゲットである1ドル33ルーブルはほぼ達成された。この先、さらなる減価の可能性は限定されている。

世界的な株価下落が新たに起こった場合にはルーブルが毀損しないということもないが、経常収支の悪化傾向が改善に向かっていることで下支えされるだろう。

今後期待される金融政策緩和による為替への悪影響は長く続かない。むしろロシア国債市場において前向きな影響を与えると見られる。
  •  ネガティブな否定的要因は第3四半期にはなくなる。第1四半期に251億ドルの黒字であった経常収支は第2四半期に69億ドルにまで下がったが、この数字は改善し第4四半期には90億ドルにまで回復する。
  • 経常収支黒字減少の大きな理由は季節的な資金流出の増加だが、これは海外直接投資による利益の還流がひとつの原因である。
  • 資本収支赤字は第1四半期の90億ドルから第2四半期に190億ドルに増加。季節的要因により下半期には少なくとも70-90億ドルにまで減少する見込み。
  • 経常収支の改善見込みは、国内需要の弱さと石油価格が安定的に高いこと、世界経済の回復が理由。ルーブル増価の方向に働く。
  • インフレ率下落の結果、今年中に中央銀行は政策レートを75bp下げる。消費者物価指数は年末までに5%にまで下がる見込み。食料品価格の上昇鈍化が主要因。
  • 季節的要因を考慮しても、年始からのルーブル下落幅が大きすぎる。他の要因もルーブル増価の方向への働くが、資金流出は続くためそのスピードは早くないと見られる。
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ロシア経済は行き詰まり

Finmarketが、「ロシア経済は行き詰まり」という記事を掲載し、HSBCによる経済分析を報じています。抄訳はいかのとおり。


米国金融政策の不透明性と中国経済成長の鈍化により、世界経済の回復はゆるやかなものになりそうだ。HSBCエコノミストの予想によると、2013年の世界経済の成長率は2%にとどまり、2014年も2.6%にとどまるという。予想を低下させた理由は、主に新興国の経済成長予測の低下によるものである。 

 ・ロシア経済成長予測は低いままで据え置き(2013年:2.5%、2014年:2.0%)

 ・リスクは石油価格、国庫収入減少、インフレ


【伝統的なマクロ経済政策は現状では極めて効果が薄い】

2012年度予算が赤字とならない原油価格は110ドルであり、積極的な財政政策をとるのはリスクが高すぎる。金融政策についても、インフレが大きく鈍化しないかぎり難しい。ローンの伸びが年率22%と高く、むしろ金融政策は引き締めの段階。むしろビジネス環境改善の方が経済成長促進効果が高い。


【最大のリスクは石油 - 頼りにならないパートナー】
原油価格は徐々に下落の傾向。スタグネーションの原因は原油だけではないとは言え、3%以上のGDP成長に向けての障害。ウラル原油価格が80ドルまで達すると、ロシアは不況の状態に突入する。


【第2のリスク - 予算ルールの失効】
予算ルールの実施において、2013年予算では深刻な障害が発生している。民営化からの利益や借入など、石油源泉以外の国庫収入が予定に達していない。 


【第3のリスク - インフレ】
消費者物価指数は5月までで年率7.4%の上昇で、2012年末の6.6%から加速している。このインフレ率の上昇は、農作物価格や年始の諸税引き上げによるもの。昨年の金融引締め効果が今年の下半期にあらわれて、ターゲットとする5-6%のインフレ率は達成可能かもしれないが、2014年のターゲットである4-5%の達成はより難しいと言わざるを得ない。HSBCの予測は2013年は6.6%、2014年は5.5%で据え置き。

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ロシア経済の成長を信じロシア経済に投資する中年の投資と勉強の備忘録です。 ロシア語の勉強も兼ねて、ロシアや旧ソ連諸国の経済関連ニュースを紹介していきます。勉強中なので、いろいろ教えて下さい。 HN:イワノフ ブログランキングに参加しています。面白かったらどちらか押してください~↓
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