引き続きキプロスの話。Finmarketがキプロス問題についての経済学者の意見を掲載しています。

そのうち、日本でもインフレ期待形成やバブル後の政策批判→その後謝罪(?)で有名なノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマンの部分を訳してみました。アベノミクス発言でも話題を呼んでましたね。

さて、キプロス危機を、アイルランド、アイスランドと比較しています。3国に共通する部分として、金融セクターが国内経済に比べてあまりにも肥大化していたことが挙げられています。銀行資産のGDP比は、アイルランドが440%、アイスランドが980%で、今回のキプロスが800%。ちなみにアメリカは100%くらいのようです。

金融が実体経済に比べて肥大化してしまって、実体経済では銀行を救えないレベルに来てしまったことが問題。バブルが弾けてしまったということですが、日本と違うのは外国からの資金流入が原因ということでしょう。キプロスの場合はメインはロシアから。小国がオフショア金融センターになることへの共通する問題と言えましょう。

アイスランドとアイルランドでは、アイスランドが比較的早く回復したのですが、それは通貨切り下げによって預金の実質価値を切り下げることに成功したからだとクルーグマンは分析しています。しかしキプロスはアイルランドと同じくユーロを使っていますから、簡単には行きそうにないです。預金の実質価値下落という意味では、預金への課徴金も同じ効果がありますが、それでも足りないのでまだまだ債務に苦しみそうです。クルーグマンは、資本規制がない限り、同じような苦しみがユーロ圏では続くという持論をここで述べています。

ただ、両国とも結構すぐ回復したイメージがあるので、キプロスも大丈夫かな・・・とか楽観的に思ったりもしました。

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