RIA NOVOSTIは、ルーブル為替についての大統領報道官の発言について報じています。

Dmitry Peskov大統領報道官が記者にたいしてこんなことを話した由。

・8月に財務省は外貨準備積み増しのため国内為替市場で外貨の買い入れを行う予定。 これにより、ルーブルが1-2ルーブル減価する 。
・為替の揺れはもちろん起こるが、これは世界経済およびロシア経済がボラタイルであるからだ。 
・通貨の下落は、ロシアの企業の大半である輸出志向企業の活動最適化を促進するものであるが、決定的なルーブル暴落のようなことはない。

これに対し、イグナチエフ中銀総裁は、財務省による外貨買い入れによってルーブル為替の動きに影響はないという意見を発表している。なお、同中銀総裁は6/24に退職する。

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政府の高官がこんな大っぴらに為替安誘導発言をするのに驚きです。日本では、インフレ・ターゲットについての議論であって、為替安誘導政策では(建前上は少なくとも)なかったと思います。まあ、インフレをすれば名目為替は落ちるはずですが。

ただ、政府がちょっと買い入れしたところで為替市場全体の取引の中ではそんなに大きな影響はないでしょう。ルーブル市場はそんなに大きくないから政府介入の影響は、ドル円等に比べたらはるかに大きいのでしょうが・・・。少なくとも、こんな発言をした次の瞬間に為替が動いてしまうので、8月にどうこうというのはないでしょうけど。この意味で、中銀総裁の発言は的を射ていると思います。 
[単語]
・девальвация : 通貨暴落
・ослабление курса : 為替の減価/下落
・волатльный : ボラタイルである