RIA NOVOSTIが、組閣後1年間の成果についてのメドベージェフ首相のインタビューについて報じています。

簡単に言ってしまうと、経済は「普通」、悪くもないけど良くもない、という評価。サマリーは以下のとおりです。
  • 状況は中間。ひどいことも良いこともない。安定的な成長軌道に乗ることが必要。(中期的経済計画で示した)年間4-5%の経済成長が必要。
  • 経済成長は鈍化しているが、重要なマクロ経済指標は問題ない状態にある。特に財政状況、債務状況、インフレ率は悪くない。
  • 政府にとってインフレ率削減が重要、インフレターゲットは引き続き設定する。
  • 失業率は危機前に比べても低い。
  • 「予算ルール」が永久に続くとは意味しないが、燃料価格低下への保険でもあり、ある程度は続く必要があるものだ。
  • 以前は、国家プログラムは個別の目的を有したものであったが、今後は経済成長計画の実現のための手段ともなる。
なかなか苦しい説明です。
先行きが見えにくい、何が本当の問題なのかと言われると、お決まりの「投資環境の改善」「構造改革」というどこから手を付けるべきか具体的に見えない解決策ばかりが提示される近年。日本の石油ショック、バブル崩壊のような、これまでの経済成長策が有効でなくなる時期がロシアにも来ているということでしょう。

ロシアはエネルギー価格に経済の多くを依存している(その依存割合は減ったとしても)ため、そのエネルギー価格変動のショックを軽減するために予算ルールというものが設定されましたが、そのルールのため溜め込んだ資金を市場に放出できず、経済成長を妨げている、というのが経済発展省側の考え方です。今後、この比較的固い政策が緩くなる可能性がありそうな感じですね。
[単語]
・удовлетворительно : 満足できるもの、普通、5段階の3
・устойчивая траектория роста : 安定的な成長軌道
・основной вызов :大きな挑戦
・инфляционное таргетирование : インフレターゲット
・бюджетное правило : 予算ルール