Finmarketが、旧ソ連諸国の経済力に関するS&Pレポートを紹介しています。具体的には、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、アゼルバイジャン、グルジアの6カ国。

リーマン・ショック後の回復は早かった旧ソ連各国ですが、2012年にはどの国の経済も減速、2013年もこの傾向が続くとの要旨。原因としては、投資環境の悪さと汚職が挙げられているのはいつものことですが、それに加えて、生産分野におけるエネルギー効率性の低さというのが指摘されています。特にウクライナとベラルーシについては、危機の原因はまさにこのエネルギー問題です。

個別の国としては、ロシアはインフレのために経済成長に制限がかかっていること、ウクライナは輸出の不振が問題だと指摘されています。

比較的状況が良いのはグルジアとカザフスタン。グルジアは、上記のような問題を抱える石油分野以外が発展していること、カザフスタンはガスがあるのが強み。

S&Pの格付けで一番高いのはカザフスタンのはBBB+。ロシアはBBB、一番低いのはベラルーシのB-。2001年からの推移のグラフを見ていると、やはり資源を持つロシア、カザフスタン、アゼルバイジャンの強さが目立ち、資源のないウクライナ、ベラルーシ、グルジアの弱さが目立ちます。2極化しているのがはっきりと分かりますね。

ただどの国も2013年度は経済成長が鈍化。2012年がひどかったベラルーシとウクライナ、それからアゼルバイジャンは回復しますが、以前のような水準ではありません。

インフレの状況は、ベラルーシを除いて2013年は悪化する見込みのようです。ベラルーシは2012年は60%(!)のインフレでしたが、22%まで落ちる見込み。グルジアは-0.9%のデフレ状態から、1.5%のインフレに転換。他国はどこもインフレが加速しています。

旧ソ連諸国に共通するのは、財政政策による経済の刺激という手段が取りづらいことです。エネルギーを持たない3カ国はともかく、ロシア、カザフ、アゼルも燃料価格が思ったように高くならないことから、財政拡大には2の足を踏んでいます。

エネルギー効率性については、10億ドル分のGDPを生産するのに必要な1日の原油量での比較がされています。ブラジルが1300バレル、中国が1700バレルであるのに対し、ベラルーシは8600バレル、ウクライナは7600バレル、ロシアは5600バレル、カザフスタンは2100バレルであると指摘されています。古いインフラ、古い生産設備を更新せずに(更新できずに)使い続けているせいかもしれません。

いつもロシア中心のニュースをお伝えしていましたが、今回は旧ソ連各国に関するものをピックアップしてみました。一応ブログランキングの「ウクライナ」のカテゴリにも登録していましたがウクライナニュースを伝えたことがなくwちょっと気になっていたので。

エネルギー効率性の低さが経済成長の足かせになっているというのは納得ですね。ここがうまく乗り切れれば、ベラルーシもウクライナも一皮むけるかもしれません。全体的には、グルジアにとって肯定的なレポート担っていましたね。政治の不安定性さえ取り除ければ、ロシアへの輸出や観光業で伸びる余地が多いと。グルジアには一度行ったことがありますが、観光的に大変良かったです。また行きたいな~。グルジアとウクライナに投資するファンド探してみようかな。 
[単語]
・рейтинговое агентство : 格付機関
・энергоэффективность : エネルギー効率性
・чувствительный к внешним шокам : 外的ショックに弱い
・ужесточение бюджетной и денежной политики : 財政・金融政策の引締め
・дисбаланс текущего счета : 経常収支の不均衡