割と真面目な話題ばかりを続けて来ましたが、ここらで一つ軽く。と言ってもまたインフレのお話。

昨年のインフレは農作物牽引型だったという記事を紹介しましたが、2012年に最も値上がりしたものは何だったのか、という記事があったので紹介します。 Vesti Financeが伝えています(記事ビデオ)。ニュースのほぼテキストがあるのはロシア語勉強用に良いですね。

インフレが続くととりあえず消費しとかないとって気になりますか?日本人は逆に「将来に向けて貯めないと!」といってむしろ節約に走る傾向がある気がします。ロシア人は、また別途紹介しますが、消費に加えて不動産投資に走ります。あ、これは途上国どこでもそうかも。

では気を取り直して10位から。



10位 牛乳 ← 飼料用穀物の値上がり。
 
9位  砂糖 ← ビーツ(砂糖大根)と倉庫費用の値上がり。

8位 牛肉 ← ロシアだけでなくアメリカでの不作。1/3は輸入。

7位  ガソリン ← 一部ガソリンへの税金の増加。2013/1/1からもさらに税金が平均6%上昇。

6位  じゃがいも ← 一部地域では不作で通常の2/3の収穫高に。欧州も不作。

5位 スピリッツ ←  酒税増税。こちらも1/1よりさらに36%上昇。

4位 鶏肉 ←  飼料用穀物そのた飼料の値上がり、需要増。生産は15%伸びたが追いつかず、輸入も20%増。

3位  タバコ ← たばこ税増税。2014年までに税金はさらに倍になる見込み。

2位 小麦粉 ←  この10年で最大の不作。輸出も1/3減少させて国内に。

1位 キャベツ ← 不作。輸入関税の一時廃止も検討されたが実現せず、輸入価格は3倍に。


つーか1位キャベツって・・・キャベツって!

と、農作物不作か増税かで値上がりになっているものが多いです。キャベツなんか日本でも価格が大きく揺れるのでよく報道されていますが、キャベツに輸入関税かけてるのか・・・。

ロシア人がお店で1度の買い物で使うお金は平均で487ルーブル( 1400円)で、昨年の5%増とのこと。意外と多い・・・と思うかもしれませんが、都市の郊外型スーパーに行くと一家族が物凄い量を買っていますので、案外安いな、といった印象です。モスクワとサンクトペテルブルクを見てロシアを知ったと思うなかれ、の典型ですね。

ところで、この記事では「値段が上がった『もの』」と訳しましたが、オリジナルのロシア語は「продукты」。この言葉を聴いてパッとイメージが湧くのは食料品店です。お店の看板にもなってます。そうだと思って「食料品」と訳すと7位にガソリンが出てきて、はて、となってしまう。研究者の露和辞典で調べると、1番目の意味は産物、生産物で、2番めが食料品、3番目が原料となっていました。というわけでここでは迷って「もの」としています。

[単語]
・ фуражное зерно : 飼料用穀物