ロシア経済ニュース

ロシア経済に投資する中年の備忘録(ロシア語→日本語翻訳日記)

May 2013

ロシア・モスクワ近郊にLCCが!

モスクワ近郊の州が、自州内の空港をLCC向けに開放したいと提案しているようです。Vedomostiの記事を引いてRambler Financeが伝えています。

ウラジーミル州やトヴェリ州といった、モスクワに隣接する地方行政府が、州内の空港をLCC向けに開放する提案を行っている。カルーガ州と航空会社UT-Airが、同州内のErmolino空港をLCC向けの基地とすることで交渉しているというニュースが理由のようだ。

運輸省は、財政面以外のいかなる支援も約束している。

LCCが機能できるよう依頼している規制緩和は、
・外国人パイロットによる運行の許可
・返金不可チケット販売の許可 
・保有航空機の最低数規制の撤廃
であり、かかる法律の修正案はすでに議会に提出されている。

リャザン州は、Protasovo空港をLCCに開放する準備ができているとし、さらに、モスクワから「エクスプレス」でどう空港まで繋げるとロシア鉄道と暫定合意していると言う。 リャザンとモスクワ間はエクスプレスで2.5時間。

アエロフロートの反応は明らかではないが、モスクワ郊外のブヌコボ空港をLCCのの基地空港としたいとする考えを以前表明している。ブヌコボ空港側は交渉はまだおこなっていないとしていおり、また有識者はブヌコボ空港では安く航空便を飛ばせないと考えている。

リャザン州は2016年に新空港開設を計画しており、建設費は50億ルーブル、旅客数は500万人と見ていると、リャザン州政府筋が話した。

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LCC、いいね!!!
カザンへの特急話とも絡むし、少しくらいモスクワまで時間がかかっても格安で行けるなら消費者は大歓迎ですよ。実際に稼働するよう心から祈ります。 続きを読む

ロシア・ルーブルとブラジル・レアルの相違

ルーブルとブラジル・レアルの相似性について、ズベルバンクのエコノミストが発表した調査について、Finmarketが伝えています。

ロシア・ルーブルとブラジル・レアルは非常によく似ている。原料輸出に依存した国の通貨で、実効為替レートがここ数年急に増価している。現在、レアルは7-15%過大評価されており、経済成長と競争力を阻害している。ブラジルはすでに通貨を下落させる方策を取っている。つまり、資金流入と消費を抑制し、政府投資を増やそうとしている。

ズベルバンクとしては、このような為替に対する政府の介入は好ましくないと考えており、違う形で競争力を向上させ、またインフレを抑制しなくてはいけないと主張しています。

ロシアとブラジルの経済政策で似ているところと違うところはこんな感じです。
・ロシアの実効為替レートが増価しているのは、高インフレ率のためである。
・ブラジルは、1999年からインフレターゲットを導入し、効果を挙げている。国内インフレを安定させるため、資金流入に際して名目為替が自然に切り上がることを許容し、輸入需要を抑制した。
・この間ロシア中銀は、為替レートのターゲットに注力していた。資金流入に際して為替安定のために為替介入を行い、国内マネタリーベースを増やすことによってインフレを加速させる政策を採っていた。
・いずれの場合も実質レートは増加するという結果は変わらない。

ブラジルの採っている金融過熱対策には以下の様な政策があります。
・ 外国人投資家のブラジル債券に対する投資に2%の課税
・ 債券取引税を4%、株式取引税・デリバティブ取引税を6%に増加
・2011年から、米ドル取引を行う銀行の準備金金額を上昇
・ 外国からの借入に対し6%の課税を導入

このような対策にもかかわらず、投機家はこれらの規制を回避する方法を見つけ、政策が意味をなしていないと結論づけています。

金融ではありませんが貿易では、南米は「輸入代替政策」の失敗例として経済学の教科書で挙げられていますね(成功例は日本と韓国)。 外国取引を規制しても国内産業の競争力が向上しないという例です。金融政策の規制については、ちょっと勉強不足でここでコメントをかけるような知識はないので、ここでは紹介のみ。続きを読む

S&P:ロシアの経済成長と消費者ローン危機(2)

昨日の「S&P:ロシアの経済成長と消費者ローン危機(1)」の続きです。

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不担保消費者ローンを含むリテールローン残高は企業向けローンよりもかなり速いスピードで成長するとS&Pは見ている。もし中期的に家計債務が増えていくと、クレジット・バブルが起こることにつながると警告している。同時に、政府が銀行の準備金や資本に対する規制を強化うすると、消費者ローン残高の成長を抑えるような影響を与えるとしている。

ロシア経済に成長の潜在力はある。特に、ロシアの国家財政指標は比較的良好だ。拡大政府債務は高くなく(2012年でGDPの10.4%)、政府の資産は負債をわずかに上回っており、純債権国となっている。しかし、2014年に向け状況は変わる。 2012年は、石油価格高騰がGDPの0.4%の黒字を政府予算にもたらしたが、今年や今後数年はバランスは悪化し、2016年に財政赤字はGDPの1.6%に拡大すると見られる。

財務状況は中期的に悪化すると見られるが、それでも赤字は大きくなく、ロシア政府としては予算運営にある程度の柔軟性を持ち続けられる。もちろん、国内債券市場が小さいんためその柔軟性には限度があるが。今年のはじめにロシア国債市場を外国人投資家に開放したことにより、ロシア政府は追加的なファイナンスの可能性を獲得した。

インフレはまだ高く(2009-2012年平均で約8%)、ここ数年は年6%程度とあまり低下しないと見られる。ロシア政府が近年維持してきた管理変動相場を緩和していくことは、特に石油価格変動のようなストレス状況に対する経済の安定性を強化することにつながる。また、純債権国であることは、外国からのストレスシナリオに対する防御手段となりうる。 

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ロシアの経済状況が良いのか悪いのかよくわからない記事ですが、ちょっと調子は良くなくて、今後回復の見通しもあまり立ってないけど、財政的には問題ないからしばらくは耐えられる、といったくらいでしょうか。日本経済の見通しよりはまし?
 続きを読む

S&P:ロシアの経済成長と消費者ローン危機(1)


S&Pが発表したロシア経済の先行きについての論評記事がRBKに掲載されています。論評なので、簡単に抄訳してみます。

経済用語が広く、わかりやすく使われていますし、構文もほどほどに難しいので、勉強用に良いテキストなのではないかと思います。

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ロシア経済の問題は、よく知られるように、燃料分野、特に石油への高い依存度にある。ロシアからの輸出の過半が石油および石油製品であり、ガス・金属も含めると、輸出の約80%を占める。

エネルギーへの需要が落ちる世界経済の鈍化が続く中で、このようなロシア経済の方向性は極めて深刻な問題を孕んでいる。しかもロシアの製造業の多くは競争力がなく、経済改革のスピードも非常に遅い。外国人がビジネスの展開を控えるような投資環境の悪さ、汚職もある。ロシア経済が危機前まで見せていたような成長率の回復はまだ遠そうだ。

経済改革を積極的に推し進め、投資環境改善への強い施策を採らなければ、ロシア経済の停滞はまだまだ続くことになる。S&Pによれば、今年度のロシア経済成長率は3%にまで落ち込み、2014-15年も3%強にしかならない。

しかし、経済成長は鈍化しているがロシア経済は引き続き拡大の段階にあるとS&Pは指摘している。ローンの伸びが引き続き高く、2012年度は約18%、2013-14年度も15-18%成長を見込んでいる。GDPに対する家計の債務比率は2012年度で12%を超え、2014年までに15%まで伸びる見込みだ。それでも国際的に見れば低い水準ではあるのだが。

ここ2年で見られているのは、消費者ローンでの高成長だ。年平均で38%という高成長は、銀行にとって信用リスクが高くなるという問題を孕んでいる。リスクの高い不担保消費者ローン量の拡大の部分が大きいからだ。不担保ローンは2012年末で消費者ローンの64%を占めている。

しかも、家計収入の伸びは消費者ローンの伸びに比べひどく遅れている。つまり、債務者一人あたりの債務水準の拡大につながっている。労働者一人あたりの不担保ローンの平均額は、2012年度末において平均年収の1/4にまでなっている。

前の借金を返済するために新たな消費者ローンを組む量も増えている。2012年度は、銀行の債務引当金が2011年度比で倍増、特に消費者ローンでは3.6倍となった。この傾向は2013年も続くだろう。

 (続く)続きを読む

え、ロシアってまだ先進国じゃないの?

Finmarketが、ロシアのOECD入りについての記事を掲載しています。

OECDと言えば先進国クラブ(このイメージ古い?)なのですが、ロシアはまだこれに入っておりません。なぜ入れないのか、というと、政治システムとエコ対策が不十分なことと記事では指摘されています。

OECDはロシアに対し、以下の点が問題だと指摘しています。
  • 国家統治の効率性
  • ビジネス環境
  • 汚職
  • 政治プロセスへの市民の参加

課題は山積みなので、有識者はロシアが2015年までにOECDに加盟するという政府の目標は実現困難と見ているようです。

ロシアがOECDに入っていないというは意外ですね。一人あたり国民所得も、加盟国の中で一番低いグループのトルコやチリに比べても高いですし。Wikipediaによると、 ロシアは現時点で唯一のOECD加盟申請国のようです。

しかし、他の加盟国と比べてそこまで悪いか?というと、うん、まあ、悪いんでしょうねw続きを読む

ロシア「株価暴落は日本のせいじゃない」

日本の株価の下がり方はすごかったですね。私も1日で総資産の1.5%をなくしました。かわいそうだと思う方は右のアマゾンさんから何か買ってください。私のポートフォリオの日本株の割合は高くないのでこれくらいで済んでいるのですが。

さて、たまには株価のことも。
これにつられてロシアの株価も大幅下落しています。InvestcafeFinamarket伝えていますが、MMBVは-3.4%、RTSは-4.1%でした。特に、アエロフロート(-6.2%)、VTB(-5%)が大きく下落しています。 

昨日は日本やロシアだけでなくほとんどどこも軒並みマイナスだったようですね。原因のアメリカ市場はそんなでもなかったようですが。

石油先物価格もこの2日間で-2.7%。

原因としては、日本の「に」の字も書かれておらず、米国QE3と中国の統計のことばかり。
ま、そんなもんでしょうけど。 続きを読む

ロシア人「夏は外国に遊びに行きたいけどお金がないの!」

Rambler Financeが、この夏ロシア人はどこで休暇を過ごすか&過ごしたいかという全ロシア世論調査センターの調査結果を伝えています。

過半数のロシア人が、今年の夏の休暇は家(45%)かダーチャ(郊外の別荘)(22%)で過ごす予定を立てています。実際には、外国で休暇を過ごしたいと思っている人が33%となりトップなのですが、実際に外国に遊びにいけるのは9%だけ。しかもこの外国はいわゆる「遠い外国」で、「近い外国」たる旧ソ連諸国は含まれていません。

ロシア人が夏の休暇にかけるお金は、27636ルーブル(約9万円)で、昨年の27220ルーブルから微増。

なぜ休暇を家ですごすかという理由については、47%が資金不足、10%が健康状態、12%が仕事のため長期休暇がとれない、7%が家族の状況、7%がどこにも行きたくない、と回答者は答えています。

仕事のため長期休暇が取れないと応える人が1割強もいるのに驚きました。ロシアも世知辛い世の中になってきたようですね。

なお、グラフは→ http://fmimg.finmarket.ru/FMCharts/220513/wciom.png

これを見て面白いのは、休暇先の分類が
  • ダーチャ
  • ロシアの他の街・村
  • ロシアの黒海沿岸
  • バルト諸国
  • 外国
  • クリミア
  • その他の旧ソ連諸国
となっていて、ソ連色が色濃く残っていることですね。最近は、バルトやクリミアの人気が低くなってきてることがよくわかります。行きたいという人は合わせて3%。しかし実際に行く人は12%もいます。クリミア結構好きなんですけどね。水冷たいけど。
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世界ブランド番付100にMTSとズベルバンクが登場

Rossiyskaya Gazetaが、Millward Brown Optimorが発表した世界ブランド番付トップ100にMTSとズベルバンクが登場したと伝えています。

記事によると、ズベルバンクが70位、MTSが82位とのこと。ロシアでは有名ですが、その他の国では?日本人やアメリカ人にズベルバンク、MTSがと言ってどれだけ通じますかね。

なお、1位はApple、2位はGoogle、以下IBM、マクドナルド、コカコーラと、これは納得。日本企業では23位にトヨタ(自動車メーカーではトップ)、71位にホンダ(ズベルバンクの下!)、86位に日産、90位にNTTドコモが入っています。株式の時価総額に連関してそうですね。中国の銀行や保険会社がたくさん入ってますし。

私は寡聞にしてこの番付のことを知らなかったのですが、権威はどのくらいあるんでしょうか?ブランド評価だとするとかなり?マークが付いてしまうのですが・・・。続きを読む

2010年国勢調査結果 人口移動は少ない

2010年の行われた国勢調査結果がロシア統計局のサイトで発表されたと、Finmarketが伝えています。

その結果では、以下のことがわかりました。
・生まれた地域に住む住民は70.8%。46%が2002年の国勢調査時と同じ場所に居住。

・89%がロシアで生まれる。7.8%(1120万人)は外国、主に旧ソ連諸国で出生。うち2.1%(290万人)がウクライナ、1.7%(250万人)がカザフスタン、110万人がウズベキスタン。

・ペテルブルク生まれの居住者の割合は53.3%、モスクワ生まれの居住者の割合は59.9%。

・最大の 「人口供給地域」(その地域で生まれた人で他の地域に移動した人)はモスクワ州で93.5万人、2位がバシコルトスタン(カザフスタンに近い共和国)の74.5万人。


この記事は人口移動に着目した記事なので上記のような点が主題になっていますが、統計を見て面白かったのは次の点。
  • ロシアの人口は1億4286万人で、2002年の国勢調査時より1.6%減少(-231万人)。都市部も農村部も減少しているが、都市部人口が73%→74%と微増。
  • 男性が6646万人、女性が7698万人と女性の方が圧倒的に多い(寿命のせいか?)
  • 年齢の中間値は38.0歳。なお、資料に載っていた比較の中では日本が一番高く44.7歳(!)
  • 民族構成で、自分を「ロシア人」とするのが80.9%、続いてタタール人(5.31%)、ウクライナ人(1.93%)。
  • 外国人の国別人口は、ウズベキスタン(13.1万人)、ウクライナ(9.3万人)、タジキスタン(8.7万人)

他にもいろいろと面白そうなのがあるので、ロシア語のできる方は覗いてみてください。 続きを読む

メドベージェフ「経済は、うーん、悪くはないんだけどねえ」

RIA NOVOSTIが、組閣後1年間の成果についてのメドベージェフ首相のインタビューについて報じています。

簡単に言ってしまうと、経済は「普通」、悪くもないけど良くもない、という評価。サマリーは以下のとおりです。
  • 状況は中間。ひどいことも良いこともない。安定的な成長軌道に乗ることが必要。(中期的経済計画で示した)年間4-5%の経済成長が必要。
  • 経済成長は鈍化しているが、重要なマクロ経済指標は問題ない状態にある。特に財政状況、債務状況、インフレ率は悪くない。
  • 政府にとってインフレ率削減が重要、インフレターゲットは引き続き設定する。
  • 失業率は危機前に比べても低い。
  • 「予算ルール」が永久に続くとは意味しないが、燃料価格低下への保険でもあり、ある程度は続く必要があるものだ。
  • 以前は、国家プログラムは個別の目的を有したものであったが、今後は経済成長計画の実現のための手段ともなる。
なかなか苦しい説明です。
先行きが見えにくい、何が本当の問題なのかと言われると、お決まりの「投資環境の改善」「構造改革」というどこから手を付けるべきか具体的に見えない解決策ばかりが提示される近年。日本の石油ショック、バブル崩壊のような、これまでの経済成長策が有効でなくなる時期がロシアにも来ているということでしょう。

ロシアはエネルギー価格に経済の多くを依存している(その依存割合は減ったとしても)ため、そのエネルギー価格変動のショックを軽減するために予算ルールというものが設定されましたが、そのルールのため溜め込んだ資金を市場に放出できず、経済成長を妨げている、というのが経済発展省側の考え方です。今後、この比較的固い政策が緩くなる可能性がありそうな感じですね。続きを読む
プロフィール
ロシア経済の成長を信じロシア経済に投資する中年の投資と勉強の備忘録です。 ロシア語の勉強も兼ねて、ロシアや旧ソ連諸国の経済関連ニュースを紹介していきます。勉強中なので、いろいろ教えて下さい。 HN:イワノフ ブログランキングに参加しています。面白かったらどちらか押してください~↓
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