ロシア経済ニュース

ロシア経済に投資する中年の備忘録(ロシア語→日本語翻訳日記)

February 2013

ロシアでの格差拡大?

Finmarketが、2012年のロシア人の収入について報じています。

2012年の総家計収入は2011年に比べ10%増加、とGDP成長率よりも早いテンポで成長しているようです。ただ、国民の格差も少し拡大したと報じています。その根拠は、上位10%の富裕層の収入の全体に対する割合が30.7%から30.8%に増えたことのようですが、誤差の範囲のような気もします。

各所得セグメントごとの割合は以下のとおりです。

  • 月5000ルーブル未満:6%(2011年:7.3%)
  • 5000-7000ルーブル:7%(同8.1%)
  • 7000-10000ルーブル:12.2%(同13.4%)
  • 10000-14000ルーブル:15.4%(同16.2%)
  • 14000-19000ルーブル:15.5%(同15.6%)
  • 19000-27000ルーブル:16.6%(同15.9%)
  • 27000-45000ルーブル:16.9%(同15.2%)
  • 45000ルーブル以上:10.4%(同8.3%)
ざっと見てみると、低位層の割合が減って上に写っていて、格差が大きくなっていると言うよりは全体的に底上げがされているだけのように見えます。 

現在の年金生活者の最低生存比が5000ルーブル強
ですので、一番上とその次のセグメントは日本で行ったら生活保護レベルということになります。最高レベルは45000ルーブル=14万円ということで、え?こんなもんなの?と思いがちですが、モスクワを知ってロシアを知ったというなかれ、ロシアは頭ではわからない、ということです。モスクワとサンクトペテルブルクは例外中の例外。

とは言え、これでは収入が少なすぎる気も。統計がどこまで把握できているのか、謎です。

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サンクト(の泥棒)はマツダがお好き

RIA NOVOSTIがロシアでの自動車盗難状況について報じています。

ロシアでは日本では考えられないほど自動車が盗まれます。ので、車を買ってまずやることは盗難防止装置を付けることです。盗難防止装置を付けないと盗難保険に入れないんじゃないかな?

しかし、盗難防止装置をつけていても盗まれるものは盗まれます。日本車はかなりの人気で、2011年のモスクワのトップがMazda CX9、2位がHonda Accord、3位がInfinity FX、4位がSubaru Foresterと日本車ばかり。 2012年はランクを少し落とし、2位のLexus LS、4位のMazda CX7、5位がToyota Highlanderとなっています。日本車って盗難に弱いのか?人気があるっていうならBMWとかも人気があるのだが。

サンクトペテルブルクでは、2012年の1位がMazda CX7、2位がMazda 3、5位がInfiniti FX。マツダ人気が高いですね・・・。

盗難された車は分解されて部品として売られるのが現状のようで、これでは盗まれた車は戻ってこないでしょうね。ま、そのために保険に入るのでしょうが。 

RIA NOVOSTIなので、以下全文掲載します。 

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今、ロシアで一番熱いのはラジオ広告

Vesti Economicsが、2012年のロシア広告市場について報じています。

ロシアの広告市場は全体で2973億ルーブル(約9000億円)で、2011年比3.1%成長。GDP成長率よりも若干伸びが小さいです。なお、日本の広告市場は5兆7000億円(2011年)なので、ロシアの広告市場はまだまだ小さいようです。しかし経済規模比ではそんなに変わらないかも。

広告市場の中で一番大きいのはテレビ広告の1432億ルーブルですが、次に来るのがインターネット広告の536億ルーブル(約1600億円)、2011年比35%成長と大きく伸びています。

広告市場でシェアを伸ばしているのは、インターネットのほかはラジオ広告(146億ルーブル)だけのようです。ラジオ広告が今伸びているのか・・・胸熱。しかし何故今ラジオ??



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ロシア人「臨時収入があっても借金は返さないよ」

RBK Dailyは、ロシア人に臨時収入があった場合に何に使うかというアンケート調査結果を報じています。

日本だと貯金がダントツ1位ではないかと思われますが、ロシアではやはり消費が一番人気のようです。それでも、リーマン・ショック後は何かのときのために溜めておくと言う人も増えているそうです。バブル後の日本か!

記事本文にはランクは載っていないのですが、図説で説明されているので以下のとおり。

1位 生活用品を買う(家具、衣服、家電等) 28%
2位 何かの時のための予備費とする 28%
3位 銀行預金・株式その他有価証券の購入 14%

銀行預金と有価証券は危機後にランクを上げているのがすごいですね。逆に借金を返す人が少ない、というのは面白いです。ローンを借りる人は通常の収入から返せるから返さない、というような説明がなされてましたが、インフレがあるので借金が有利だからだと想像します。 

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2013年ロシア経済予測:シティの場合

シティバンクが2013年の経済予測を公表しています。Vesti Financeが伝えています。

どうも歯切れの悪い記者会見だったようですが、主だった結論は以下のとおり。
・経済成長率は3-3.5%。
・2013年のインフレ率は6%
・年末にかけて石油価格は1バレルあたり95ドルまで下落する。ルーブル為替も下落する。
・シェールオイル開発で石油価格は下がるが、長期的にはそんなには下がらない。
・でも結局誰もはっきりとはわからない。

なんでしょうか、経済予測って外れると訴えられる類のものなのでしょうか、最後まで「はっきりとはわからない」「誰にもわからない」と責任逃れをしたいような節が見られます。まあ、最近は天気予報が外れても責任を取らされる時代なので、さもありなん。

低成長率と低インフレ率(もちろん、ロシア比で)、石油価格も当てに出来ない、と悲観的な予測で、他のエコノミストとそんなに変わるところはないようです。シェールオイル採掘で一つの採掘場からの生産がたった1年で急激に落ちるので、どんどん新しい油田を見つけて行かなければ生産量が保てないというのは初めて知りました。 本当か?

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YandexがBingを抜いて検索サイト世界第4位に

Vesti Financeが、ロシアの代表的な検索システムであるYandexが、MicrosoftのBingを抜いて世界の検索システムで第4位に踊りでたと報じています。

Yandexはロシアに関係する人なら知らない人はいない検索&ポータルサイトです。私は面倒なのでGoogleを使うことが多いのですが、たまにYandexも使ったりするときもあります。ロシア語版のトップページは日本のヤフー的なポータルになっていますが、.comページはグーグルもろパクリな感じです。

検索システムということで、第1位はダントツでもちろんGoogleですが、2位が中国のBaidu、3位がYahoo!です。ロシア版Baiduみたいなものかと。3位以上はかなり差があるので、これ以上上に行くのは難しそうです。

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一方ロシアでは年金が5年で2倍に

今日からはちょっとだけお休みモードです。

ちょっと前の記事ですが、Vesti Financeが年金と子供に関するメドヴェージェフ首相の発言を報じています。あまり新味がないのは気のせいだと思います。決して発言者のせいでも、翻訳者のせいにもしないでください。

年金平均額を毎年20-28%ずつ引き上げて、2018年には最低生活費用の2倍にすると発表しています。2012年第4四半期で政府が定める最低生存費は年金生活者で月5073.7ルーブル(Wiki調べ)と16000円くらい、その2倍なので32000円。田舎ならなんとかなりそうですが・・・。

日本の国民年金が満額で月65000円くらいなので、その1/2程度かと思うと、逆に高い気もしなくもないと思ってしまうのは問題かもしれません。生活保護だとだいたい10万円程度のようで、これが日本の場合の最低生存費と言えそうです。10万円なら生きていけるとは思います。

暗い話題になってしまいましたが、ロシアと日本で違うのは、ロシアは年金額がどんどん増えるということです。日本と違って・・・どんどん暗くなる・・・。



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ロシア中銀「俺は悪くないよ」→政策金利低下は見込めず?

Kommersant紙が、ロシア中央銀行による昨年の金融政策暫定評価について報じています。

簡単に言うと、「俺は悪くないよ。 資金需要はちゃんと満たしてたし。銀行が構造的な流動性不足にあるのが悪い。中銀の政策は景気に対してマイナスの影響を与えていない。」ということ。

これまでに、昨年後半の成長率の鈍化は高い利率が問題であるという論調を紹介して来ましたが、中銀の発表はこれに反対するものです。まあ、中銀と政府・財界は常に対立するものですしね。日本とかアメリカの例を見ても。

問題は、中銀がこういった立場であると、今後しばらく政策金利の低下は見込めないのではないということです。プーチンさんあたりが決めたら鶴の一声で変わるとは思うんですけどね。

この記事の本筋とは違いますが、面白かったのは、政府予算から石油ガス収入を除いたプライマリー・バランスの赤字が公表されていること。9.7%の赤字、ってそれだけなの?という印象。半分くらい石油ガスから来てるはずでは?と思いましたが、細かいところは説明されていなかったので謎のまま・・・。続きを読む

ロシア人の収入源(の数)が減っている?

少し前の記事ですが、RBK Dailyがロシア人の収入源に対する考え方について報じています。

2013年には59%のロシア人は収入があんまり変わらないと考えていて、収入が改善すると考えているロシア人の収入源は、7割の人が給与、16%がフリーランス、副業が11%となっているようですが、副業の下落率が高いとのこと。どれだけの人が収入が改善すると考えているのかはわからないのですが・・・。

モスクワに限っていえば、ロシア人は結構副業を持っているイメージでした。フルタイムで働いている人が夜に英語を教えたり、翻訳をしたり、掃除をしたり広告を配ったり、何らかの形で収入源を一つだけにしない努力をしていたような気がします。最近は雇用が安定してきたということなのか、副業程度ではあまり儲からなくなったのか。 

また、収入に対して楽観的な見方ができない理由のトップはやはりインフレ。そりゃハイパーインフレ経験したらそうでしょうな。ハイパーインフレを経験していない私も2%のインフレが恒常的になっても収入がそれほど上がらんかったらどうしようと思います。収入上げてくださいお願いします。

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ビックマック指数:ルピー<ルーブル<元<ドル<ユーロ<円<ボリバル

Finmarketが、ビックマック指数による為替レートの公平さについて報じています。

ビックマック指数では、ルーブルはインド・ルピー、南アフリカ・ランドに次いで世界で3番目に安い通貨と判断されるようです。ビックマックの値段が米に対し44.5%、ユーロに対し50.3%安いとのこと。ちなみに日本円はドルに対し24.3%高いらしいです。ルーブルは中国元に対しても5.7%安く、2.43ドル。

もちろん市場によって価格政策は異なるの(日本国内でも違うし)で、一概には言えませんが面白い結果になりました。 ビックマック指数と購買力平価を信じると、ルーブルはこれから高くなっていくということになります。しかし購買力平価が成り立つとしても長期だと思いますので、債券を買うくらいの期間だとあまり参考にはならないかもしれません。

この記事ではまた、現在為替切り下げ戦争が勃発していると指摘しています。
世界では今いくつかの為替戦争が過熱している。先進国も途上国も輸出を刺激するために為替を切り下げようと努力している。この傾向は、2010年に先進国が金融緩和の方針を採った頃に始まった。世界の多くの政治家の意見では、現在の主要な侵略者は日本だ。同様のクレームは、中銀が「量的緩和」を進めているアメリカとイギリスにも向けられている
戦争を始めたのは先進国、現在の侵略者は日本だと指摘されています。確かに今、円は独歩安のようですが、これまでが高すぎたんだよ!と言いたいところです。でも日本だけじゃなくてアメリカとイギリスにも矛先が向けられています。正直、実際に金融緩和、まだしてないですよね?インフレ期待の形成だけでここまで動くとは・・・そりゃ海外の経済学者が日本を経済政策の実験場だと思うのも無理ありません。

長期投資を目論む方は、長期的には円安ルーブル高に動くというビックマック指数比較に賭けてみるのも良いかもしれません。管理人は賭けてます。ちゃんと計算したことはないですがポートフォリオの5%くらいはロシア株式です。 そのうちちゃんと計算してみようかな・・・。

(追記)
単語を入れ忘れてたので追記しました。一番下にありますが、ロシア(というかまだソ連)に初めてマクドナルドが出来たのが1990年で、その時のビックマックは6.8ドルもしたそうです。今は2.43ドル。その間にルーブルは1/1000のデノミをしていますので、どれだけ価値が下がったのか想像がつくと思います。



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