ロシア経済ニュース

ロシア経済に投資する中年の備忘録(ロシア語→日本語翻訳日記)

January 2013

エネルギーからの脱却が進むロシア

RBK Dailyが2012年度の鉱工業生産高について報道しています。

鉱工業生産高は2.6%ですが、エネルギー分野が1.1%成長にとどまったのに対し、 その他製造業が4.1%成長となっており、エネルギー一辺倒からの脱却が進んでいる、と記事では肯定的に捉えられています。

同時に輸入も減っていることから、ロシアの製造業の競争力が増し輸入代替が進んでいると結論づけています。「輸入代替」ということばあんまり良いイメージを持っていないのは輸出大国日本の国民だからでしょうか。いや、輸入代替と聞くとどうしても国内産業保護のための輸入障壁っていうイメージがあるからか。といっても、日本を含めたアジア各国も南米も輸入代替から入って成長をしているのだから、ロシアに文句を言う筋合いはあまりないのかもしれません。WTOにも加盟したし。

産業構造的に言えば第1次産業から第2次産業への転換が進みつつあるということなのでしょう。以下紹介していますが、分野別の成長率で興味深かったのは冷蔵庫生産が増えていること。ロシア、というかソ連で冷蔵庫といえばミンスクの冷蔵庫ですが、検索したらサラトフなんかも結構生産しているみたいですね。さすがにミンスクの冷蔵庫の輸入は輸入扱いになってるんですよ・・・ね・・・?WTOに加盟して冷蔵庫の輸入関税も下がっていくところで、価格競争力を保てるかどうか。 

乗用車生産も大きく伸びています(13.3%)が、これこそ輸入障壁を利用した輸入代替なんでしょうね。続きを読む

設備投資減速トレンドが続く

RBK Dailyが2012年の設備投資と今後の見通しについて報じています。

もともと経済発展省が予測していた7.8%成長よりかなり低い6.7%の実績。2011年の成長率は8.3%。もちろん成長は続けているのですが、このような鈍化のトレンドは今年も続くようです。2013年予測は経済産業省も7.2%成長から6.5%へと下方修正しています。在野エコノミストの意見はそれよりもっと低く、4.5%~5.2%。

石油・ガス分野での国営企業の投資削減が予測されているのが大きな原因のようです。それだけで1ポイントも2ポイントも影響あるんでしょうか?エネルギー分野だとあながちないとは言い切れませんが。その他、利率の高止まりも原因とのこと。

輸出は好調のようですが牽引役の国内消費も先行きが不透明になってきていますし、今後の成長の牽引役がみつからないようです。日本から見れば羨ましい限りの成長率なのですが。

追記:
経済産業省が新たに発表した2030年までの経済予測では、設備投資は2015年までは実質6%超の成長率、2019年まで5%台、2020年から2026年まで4%台、それ以降は3%台の成長としています。エネルギー分野からの脱出を図るシナリオのようです。

追記2:
訳語がはまらず文脈が曖昧となっていた「энергоемкость производства」については、「(国内総生産に占める)エネルギー産業の比率」としました。続きを読む

いつになったら住宅に手がとどくのか?

2012年の航空市場についての記事を翻訳し始めていて、明後日紹介しますとかつぶやいてたら、いつもお世話になっているこちらのブログですばやく紹介されていました。ありがたいことです。さて明日はどうしよう。

Vesti Financeが、2012年の不動産市場についての記事を掲載しています。

2012年度には6500万平方メートルの新たな住宅が使用可能となり、2011年の4.6%増、2001年の倍の数字とのこと。以前紹介しましたが、ロシア人は銀行預金よりも不動産投資を信頼しています。日本と違って人が多く住む地域での地震は少なく建物の価値が落ちないことが大きいようです。

ただ、 景気が良いカルーガ州などでは引き続き需給が逼迫しているようですが、サラトフや、なんとサンクトペテルブルクでは住居の需要が低下しているようです。

原因は金利の高さ。昨年中銀が政策金利を引き上げていますが、それに伴い銀行のローン利率も上がり、住居購入を諦めなければならない人がでてきているのでしょう。 ロシアでは3割~5割の住居がローンで購入されているようですが、最近はアッパー層しか買えないようになってきています。

以前ロシア人から日本の住宅ローン利率を訊かれ、「35年ローンで変動なら1%行かない」と答えると死ぬほど驚いたあと、その金を借りてロシアで投資できないかと言われたのをよく覚えています。そりゃ驚きますよね。検索して最初の方に出てきたRosbankのローン利率はルーブル建てで10%を超えています。利率の安い日本で円を借りて外国で運用、そのうち円安になれば丸儲け・・・って、これなんて円キャリー・トレード。

今年は政策金利が下がるという見方もありますが、住宅ローンは減速という見方もあります。今のうちに買っておいた方が良いかもしれませんが投資はくれぐれも自己責任で。続きを読む

国民一人あたりウォッカ8リットル~外資に売られた戦略産業~

RBK Dailyが、2012年のスピリッツ市場の回復について報じています。

ロシアでスピリッツ言えばもちろんウォッカ。ウォトカ。記事もスピリッツ市場と言いながらほとんどウォッカのことばかり。 2011年にウォッカ生産販売ライセンスの変更があったらしく、多くの会社がライセンスを再取得するまで生産の一時停止を余儀なくされたことと、酒税の上昇が2011年の減産の原因だったが、2012年は酒税は更に上がったけれども回復したようです。

その生産量は11億3000万リットル、ロシアの人口が約1億4200万人だとすると、大人から子供まで含めた国民一人あたりのウォッカ生産量は約8リットル・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル どんだけ飲むんだこの人ら。

面白かったのは、人気のウォッカ銘柄。上位3位のブランドとメーカーとシェアは次のとおり。

1位:ゼリョーナヤ・マルカ(グリーン・マーク、緑印)/ロシアン・アルコール社/4.8%


2位:ピヤッチ・アジョール(ファイブ・レイクス、五湖)/アルコール・シベリア・グループ/4.5%


3位:ベーレンカヤ(ホワイティ、白)/シナジー社/4.3%


ロシアに関係するものとして大変恥ずかしいのですが、上位3位どれも飲んだことないです。値段を調べると、1位のゼリョーナヤ・マルカは1本209ルーブル(600円)、2位のピヤッチ・アジョールは229ルーブル(690円)、3位のベーレンカヤは279ルーブル(840円)でした(高級スーパー「セジモイ・コンチネント」サイト調べ)。

プチブルだった私は、安すぎるウォッカがちと怖かったので高めの値段帯ですがルースキー・スタンダード(689ルーブル、2070円、普通はもうちょっと安かった)、ミャフコフ(469ルーブル、1410円)、ネミロフ(見つからず。でも前の2つより安い)なんかがメインのターゲットでした。

有名な高級ウォッカのベルーガは1349ルーブル=4050円、同じく有名ですが安いストリチナヤは289ルーブル(870円)。売れ筋はさすがに安い価格帯のものなので日本人は避けてるかもしれないですねえ。

記事で驚いたのは、この1位のメーカーであるロシアン・アルコール社はポーランド資本なんですね。ウォッカ市場における同社のシェアは14.6%。軍事産業とかエネルギー関連などの戦略産業は基本的に外資に売らないというロシアですが、同じレベルの戦略産業たるウォッカ工場、しかもシェア第1位を外資に売るなんて信じられません。これもソ連崩壊の弊害でしょうか。

さて、今日も一部記事の紹介です。

p.s. いろいろとウォッカのCMを眺めてみましたが、「バイカル」のCM、これなんてAV?(Youtube注意)
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30円札の偽札が未だに出回っている件について

RIA NOVOSTIが2012年のルーブルの偽札についての記事を掲載しています。昨年初めて1000ルーブル札にかわり5000ルーブル札がトップに踊りでたようです。まあ、それは分かるのですが10ルーブル札の偽札もいまだに出てきていることが驚きです。30円の偽札を作るのにいくらかかるんだろうか・・・。

今日たまたま、ツイッターで「コペイカってどうやって使うの?」的なやり取りを見ましたが、私はスーパーや地下鉄のカッサでこまめに使ってなるべく持たないようにしていました。モスクワっ子は結構な確率で捨ててますよね。どうしても捨てたりするのに拒否感があるのですが、下手にいっぱいためて重い財布を持ち運んだり、財布を壊してしまったり、どう使おうか頭を悩ませて時間を浪費するよりは、合理的な考え方なのではないかと思います。

外貨の偽札も見つかっているようで、もちろんドルが一番多いのですが、驚くべきは中国元の偽札。ハバロフスクとかか。日本円は報道されてないので見つかっていないのでしょう。

今回の訳自体は簡単だったのですが、少し悩んだのが数字の表現です。5000ルーブル札の偽札が「12,063 thousand」見つかった、と記事では伝えています。ロシアでは、桁数のカンマがピリオド、小数点を示すピリオドがカンマなので、この場合は「12.063千」枚の偽札、となるはずなのですが、はて、12.063千枚って12,063枚だよな、なんでこんな書き方してるんだろ、と悩んでしまったわけです。12,063,000だと多すぎだろうし。というわけで、ここは想像で12063枚と訳しました。もしかすると1200万枚かもしれません。そのほうがネタとしては楽しいですが、投資先としては不適格と判断しちゃいますよね。

では、訳は以下をご参照。続きを読む

ロシア「大陸棚開発の権限やるよ。あとから俺たちも混ぜてくれよな」

飲んで帰ってきたので更新が遅くなってしまいました。一応、日曜除いて毎日更新が目標なので、まだ金曜日だということで。ここ最近はコンスタントに2桁ユニークアクセスがあり、昨日は史上最高の30超えとなりました。ありがとうございます。

ちょっと前ですが、RIA NOVOSTIが大陸棚開発のライセンスについての政府の立場を報じていました。 大陸棚開発の権利は、現在はガスプロムとロスネフチにしかないようですが、これを民間にも開放する方向で検討中のようです。

ただ一筋縄ではいかないのがロシア。日本もだろうけど。
民間企業が開発した鉱区に入りこめるオプションが国営企業には与えられるかもしれないとのこと。 それでは意味ないのでは、と一瞬思いましたが、そんな権利があろうがなかろうがロシア政府の息のかかった企業は入っていけるのだから無問題ですよね!・・ははは・・・はは・・・。

そう思って大陸棚開発を進める民間企業が出てくると、ロシア経済も活性化して私にも少しおこぼれがくるかもしれないので、期待して待っておきます。

では、一部紹介。続きを読む

クレカがロシアでも定着・・・?

2012年のローン市場についての記事がInvestcafeが掲載しています。

ローンがロシアでも根付いてきており、特にクレジットカードの伸びが著しいという内容。モーゲージその他のローンは2013年度は少し減速するかもしれないが引き続き拡大、クレジットカードは今年と同様のペースで拡大するという内容です。利率が少し上がってきているというのは気になるところ。

ロシアの記事にありがちなのですが、成長率という割合の数字は書かれているのですが元の原数字が書かれていないので、想像がちょっとむずかしいところがあります。元の数字が悪いのを隠すために成長率だけを公式発表にいれる時代の名残でしょうか。ま、もともとが銀行の株価予想記事なので成長率だけ考えていれば良いのかもしれませんが。

カーローンやモーゲージなど抵当が取れる形のローンはしばらく前からブームだブームだと言われていますが、クレジットカードも増えてきたのですね。ロシアにいたときは、銀行からVISAデビットが付いているキャッシュカードをもらっていましたが、 クレジットはもらえませんでしたからね、時代は変わったものです。

以下、記事の翻訳です。
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経済成長は3%台でしばらく行くらしい by世銀

独立新聞が、PwCによるロシア経済成長予測についての記事を載せています。が、PwCメインと見せかけて実は世銀報告がメインだったりします。

世銀は、2012年のロシアのGDP成長率は3.5%(元々4.3%との予測)であり、今後は毎年3.6%、3.9%、3.8%の成長率と予測しているようです。前提として石油価格の高止まりを置いていてこの数字なので、実質的な減速を予測していると言えると思います。この原因として、干ばつ、インフレ拡大および世界経済が弱含みであることを挙げています。

ここのところ、なんか良い話を聞きませんね。日本で考えたら良い数字ですが、3%台成長だと余計なリスクを取ってまで新興国に投資したいかというと?マークが浮かぶ水準。ロシア経済が成熟してきたとはまだ言えないでしょうし・・・最近一部新興国インデックスから外れた韓国と一人あたりGDPを比べると、韓国は約2万ドルに対しロシアは1万ドル強(IMF)。う~ん、悩ましいところです。

全く関係ないですが、ロシアの記事には「西側」という単語が頻出しますが、「東側」とは言わず「ロシア」「我々」「我が国」と言っています。ま、昔から「東側」とは言わなかったんでしょうけど、訳していていつも気になるところです。いま日本じゃ「西側」とか使わないようなあ・・・と思いながら、でもロシア人の言うことだし、と思って「西側」と訳し続けています。

では、以下、一部紹介です。続きを読む

財政もやはり石油依存、でも健全

RIA NOVOSTIが2012年度のロシア財政収支の速報値を報じています。

2012年の単年度財政終始赤字は128.2億ルーブル、GDPの0.02%。プライマリーバランスは3000億ルーブルの黒字、というのですから、 この財政の健全さは羨ましいばかりです。前の記事でも紹介しましたが、経常黒字と合わせて単年度双子の黒字(正確には、ちょっと財政赤字ですが)になりますね。日本は2012年度は対GDP比8.4%の赤字予想(財務省:PDF注意)ですし、経常収支は黒字ですがその金額は減りつつあります。

歳入も歳出も予算よりすこし少なめ、どちらかというと歳出が削減されているようです。

面白いのは、税収の内訳も公表されており、 雑な分け方をすると資産税以外の税金が5.16兆ルーブル、関税が6.48兆ルーブル、資産税が0.2兆ルーブルとなっていて、所得税・消費税よりも関税が多いというところです。関税の最新の内訳は見つからなかったのですが、かなりの部分が石油・天然ガスの輸出にかかる輸出関税から入ってきています。WTOでは輸出税については特に規定がないようですが、ロシアは今後輸出税を段階的に減らしていくようです(JETRO:PDF注意)。ただ、これだけ原料輸出からの歳入が多いと、ここには手を付けないでしょうね。エネルギー関連法人からの所得税収入と合わせると、ロシア政府収入の5割くらいはエネルギーに依存しているのではないかと。エネルギーで儲けた金を軍事に突っ込んでる、と。

古い貿易理論的には、輸入関税は国内消費者から政府への所得移転であり、輸出関税は外国消費者から政府への所得移転だったかと思います。普通の商品だと、輸出に関税をかけることは価格競争力を落とすことになりますが、資源のような偏在する商品に対しては有効なんですね。 やはりここでも、近隣窮乏化というロシアの考え方が見え隠れしていると思うのは私の偏見のせいでしょうか?

では、以下翻訳です。
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貿易黒字はロシアの競争力向上の証!ですと?

日曜日はお休みにしていたのですが、未掲載の訳が少し溜まってきてしまいました。飲み会の翌日などにとっておこうかと思っていたのですが、新人にそんな余裕はないと思い直し、急ピッチで掲載予定です。

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さて、RBK Dailyが2012年のロシアの経常収支が黒字になると伝えています。その額は813億ドル、GDPの4.2%にあたるというのだから、えらいものです。やはりエネルギー価格が安定的に高かったのが原因と考えられます。これは速報値で、この期サービス収支の入りくりがあって最終的にはこれより小さい数字になると見られます。

輸出は1.7%増加、輸入は3.6%減少したそうですが、この記事ではロシアの国内産業の競争力が上がったと結論づけています。これは疑問。輸出の増加は石油価格高騰の恩恵ではないかと・・・輸入の減少は国内産業が輸入品を代替した部分もあるかとは思いますが、為替の部分も大きいかと考えられますね。ロシアの民間分野の技術力を低評価しすぎでしょうか。 この統計に武器輸出が入っているのかどうかはわかりませんが、入っているとするとさらに民間の輸出増加部分は少なくなります。産経新聞のニュースにもありますが、2012年のロシアの武器輸出は最高の140億ドルに達しているそうなので。どうでも良いですが、このニュースのプーチンさんの笑顔がこれまた素晴らしいですね。ロイターGJ。

後ほど紹介しますが、政府債務もプライマリーバランスが黒字だし、経常黒字だし、これだけ見ると物凄く健全な経済に見えるのですが、どこまで行ってもモノカルチャー的な脆弱性が残ります。脱却は何時の日か・・・。

では、いつもどおり一部紹介です。続きを読む
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ロシア経済の成長を信じロシア経済に投資する中年の投資と勉強の備忘録です。 ロシア語の勉強も兼ねて、ロシアや旧ソ連諸国の経済関連ニュースを紹介していきます。勉強中なので、いろいろ教えて下さい。 HN:イワノフ ブログランキングに参加しています。面白かったらどちらか押してください~↓
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